(2004/4/5 プロパン・ブタンニュース)
![]() 原点に返り闘いの旗手に 石油化学新聞社(プロパン・ブタンニュース)は、平成16年4月1日に会社創立50周年を迎えた。ここに「創立50周年記念特集号」を刊行する慶びを読者と共に分かち合いたい。プロパン・ブタンニュースは昭和30年2月に創刊されて以来、LPガスが国民生活に不可欠の炎として、また様々な分野のエネルギーとして発展の一途をたどった歴史の証人たる役割を果たしてきたと自負している。 この50年間にLPガスを担う事業者や組織は、それぞれの舞台で、地域で、ゆるぎない地位を確立した。また、技術革新によって生み出された先進的ガス機器は、需要の拡大に大きく貢献した。 プロパン・ブタンニュースは、これらの業界動向を愚直なまでに現場主義に徹して取材・報道して来た。創刊間もないプロパン・ブタンニュースが大阪、名古屋、福岡、広島、仙台、札幌に支局を置き、紙面に地方版を定着させたのもこのためである。 プロパン・ブタンニュースの半世紀の歴史は、LPガス販売業者、関連機器メーカー、各団体から愛され、育てられてきた50年でもあった。心から感謝を申し上げるものである。 10年ごとの記念号 昭和30年に入るやLPガスの快進撃が始まった。全国津々浦々にLPガスは燎原の炎のように拡がって行った。プロパン・ブタンニュースはその有様を、そして業界に生起する事柄を的確に報道した。 この50年の節目節目に本紙は記念特集号を刊行して折々の問題を提起した。それらを振り返って見ると、創刊10周年(昭和40年)には、「集う名士350氏」という見出しで祝賀の宴に全国から集まった業界人の熱い思いが記録されている。20周年記念号(昭和49年)には日本LPガス協会長ら4氏による「LPガス産業の課題と展望」と題する座談会で、高い熱効率を誇るLPガスの長所をもっと生かして需要開拓に励めと論じている。30周年記念号(昭和59年)では「新たな挑戦の時代」と銘打ち、東京ガスの安西浩会長と岩谷産業の岩谷直治社長(いずれも当時)によるエネルギー発展の歴史と将来展望を中心に、来るべき新世紀への希望が述べられた。40周年記念号(平成7年)では「21世紀に生きる」と謳い、LPガス需要が大きく伸びはじめた中国の現状を紹介した。そして10年を経た今回の50周年記念号のスローガンは原点に返ろう「Back to Basics」である。 LPガスと技術革新 昭和28年に10`cの家庭用ボンベ、通称・ダルマ容器とバルブが開発されてわが国にLPガス時代が訪れ、昭和30年代初頭には簡易ガス事業の原型となる小規模導管供給事業が芽生えた。かくてLPガスの供給スタイルは今や、ボンベ、導管、バルクと多様化した。 加えて利用機器はこんろ、湯沸器、オーブン、給湯器などの単機能から多機能システムへと変化を遂げた上にGHPの登場によって空調需要の花が開き、その延長線に高効率のガスエンジン技術がマイクロコージェネ(MC)を生むに到った。MCは国のエネルギー政策にも適い、分散型エネルギーの構築を目指す自治体や団地、マンション等によって「隣組コージェネ」あるいは「コージェネ特区」の4番打者に飛躍しようとしている。 振り返れば、LPガス50年の歴史は、若きプロパンを育てた先人たちによる絶え間ない普及伝道の旅であったと共に技術革新の積み重ねだったことが思い出される。しかもそれは終わりなき電気との闘いであったと言える。プロパン・ブタンニュースは原点に返り、この闘いの旗手たらんと期すものである。 |