(2004/8/23プロパン・ブタンニュース)
![]() (ユン・ソネ=通訳・翻訳者、国際交流研究所研究員) |
|
![]() 最近、「冬のソナタ」のブームに乗って韓国を訪れる日本人が増えているようだ。実際、先週韓国に向かう飛行機の中で、「ナムイ・ソム(ナムイ島−冬のソナタのロケ地の1つ)ツアー」という文字が書かれたバッジをつけている人の群れを発見し驚いた。殆どが60代前後の年齢層だったからだ。「冬のソナタ」の余波はまだ途絶える様子もない。韓国人である私にとっては嬉しいことだが、ドラマの中で見た美しい場所を思い描き続けた人々の期待に韓国が応えてあげられるのかが心配だ。多分、頭の中にドラマのストーリーが流れる人にとっては、その場所に行くだけで十分であろうが、韓国の地を始めて踏む人に一つだけ忠告したいことがある。 「バスに乗る時には十分に気をつけてください」と。私も実家に帰るとたまにバスに乗るが、“これは、これは”と緊張する。走る時も、急カーブを曲がる時も、止まるときも、まさに命がけ(?)である。座っている時は前の座席のシートを、立っている時はなるべくシートに体を密着させながらつり革をしっかりと握って足に力を入れる。そうしないと転ぶこともあるからだ。大事故につながりかねないが運転手より乗客が気をつけることが優先される。なぜなら、怪我をするほうが結局は損だから。高校の時に一度急ブレーキをかけられて、友達六人と共倒れになり、1人が膝の骨を折る大事故が起きた。バス会社が保険会社を通じて賠償をしてくれたが、退院後友達は走ることができなくなった。しかしながら、実際バスでそのような大事故にあったという人は意外に少ない。多分みんな気をつけてバスに乗るからだと思う。だから、初めて韓国に行く人は、注意してほしい。運転手によって少しずつ差はあるだろうが、韓国人も韓国のバス運転手ほど運転がうまい(?)人はいないと断言するほどだ。また、日本ではバスが停車する前に立つと運転手に「車が止まってから立ってください」と注意されるが、韓国では止まる前に出口の近くにいないとそのまま出発してしまうから降りられなくなる。「早く降りないから」だと、散々怒られてから降ろしてもらえる場合もある。日本ではゆっくりと走るバスにはお年寄りが多く乗るが、韓国はできるだけそうさせたくないのだ。 韓国のジェット・コースターは世界一スリルがあるという。多分、バスで鍛えられた人々にとって、普通のスピードでは物足りないからだと思う。「ソウルの市内バスよりもスリルがあったよ」といわれるジェットコースターは、最強のジェットコースターであることに間違いない。 |