エコウィルは人を育てる商品
日商ガス関東社長
新家谷隆夫氏
ウエーブ・風 話題と肖像画/ナリケンがゆく <159>

 日商ガス関東の新(しん)家(け)谷(や)隆夫社長は社長に就任して2年半が経過した。その間、会社全体をエンドユーザー、サブユーザー、工務店、販売店さんに向いた組織に作り変えることに最大限の努力を傾注している。そのように変化させ、変わって行くことに幹部役員をはじめ社員が漸く慣れてきた。かくてエコウィルをメーンに徹底的に販売する仕組みができてきた。自分の名前には新の字がついていて新しいことが好きである。これがわが社のトレードマークだと言う。
 日商ガス関東は、東京都東村山市に本社を置き、埼玉県東松山市、千葉県柏市、茨城県つくば市、神奈川県藤沢市、横浜市鶴見区に支店網があってリテーラー150社を擁するLPガスの卸売会社である。LPガス直売、卸で45億円、ガス機器販売5億円を販売する。
 新家谷社長は、エネルギーの競合をどう捉えるか、器具販売、住宅のリフォームもやりたいが、日々の競争に萎縮して手が出せないでいる販売店さんが卸屋何とかせい、という悲痛な叫びに販売のノウハウをもって応えるのが卸業者の使命であると言う。
日商研修会
 平成17年度の日商研修会は9月までに31回(26社60人)行った。3~5人の膝を突き合わせての実践的研修である。16年度は137社420人が参加した。この講習会は日商ガス関東の東村山本社に併設されたエコ・プラザの研修センターで正午から半日、月に3回で終了するもので、講習内容は座学と実際にお客さまを訪問してのセールストークまで行う。参加者は系列を超えてどこの卸屋さんでも都市ガスにも門戸開放である。参加費は弁当付き3,000円である。
機器診談とガス展
 機器診談は、社員の直売業務教育がてら2年前から継続している事業で今年度は4~9月に20人の社員がエンドユーザー4,198軒を訪問して点検・診断だけでなくリフォーム、機器の提案販売を行った。
お客さまとの対話から信頼が生まれることからあえて診断を「診談」という。
 ガス展のイベントは、17年度9月までに46回(うち販売店主催6社)を開催。580組1,554人を集め、売上高4,097万円、1組当たり7万1,000円だった。因みに16年度は、42回(うち販売店主催8社)1,364組、2,862人、7,359万5,000円を売り上げ、1組当たり5万4,000円だった。
エコウィルの販売に15人の専従部隊
 今年10月から新たに15人の開発専従部隊を発足させた。開発第1チームはハウスメーカー担当で、6人のうち2人は女性である。開発第2チームは9人で工務店を担当し、展示場にエコウィルを持ち込んで実演などのイベントに協力する。これらは新築・既築住宅にエコウィルを導入するための組織である。これまでの現場主義、エンドユーザー、工務店、サブユーザーそして販売店さんに向いた組織をさらに進化させ、エコウィルをメーンに徹底的に販売できる仕組みができたと新家谷社長は胸を張った。
 エコウィルという商品は人を育てる商品だと言う。電気料金はいくらか、から始まって電気の知識、LPガス業者が今、何故エコウィルの普及に努めるかなどを考えさせ、床暖など給湯と相性がよく、地球環境にも好結果をもたらすことを教えてくれる商品である。
コンサル実業と営業日報
 実業として現場のエンドユーザーに入り込んでアドバイスしたことが評価される。評価は社内ではなくお客さまからされるものである。あなたの会社は、いい人を揃えていると誉められたときは一番嬉しい。新家谷社長が「コンサル実業」と聞きなれない表現を幾度も言うのを深く考えなかったが、「コンサル実業」は、通り一辺の研修会で終わるのではなく、実際に販売店さんのエンドユーザーまで同行あるいは単独で入り込み、実績まで作りあげることをいう。この活動の中で、お客さまがヒントを与えてくれ、お客さまに指導され、そうしていつしか社員は成長する。今している苦労は、きっと花が咲く。お客さまから有難うと言われたときハードルを越えたのだと聞かされて「コンサル実業」の意味が理解できた。
 パソコンで書く営業日報にはお客さまの声を書け、と言っている。お客さまの声は大切な情報である。そこには次にどんな手を打つべきかのヒントがある。パソコンの営業日報は社員の誰もが読める。社長の朱筆が入るのを社員は恐るおそる期待している、とこの対談に同席した営業副部長の荒川昇さんは言う。
日商ガス関東のエコウィル販売 平成17年4~10月に50台を販売した。累計100台である。開発第1、第2チームがスタートしたことだし、今年度の目標200台はクリアされるに違いない。 

プロパン・ブタンニュース/石油化学新聞社(C)