2005(H17)年11月7日(月曜)
   第2650号
総 合 面

GHPとコージェネの本
GAS21-第11号
好評発売中です。
首 都 圏 版
プロパン・ブタンニュースがお届けする連載読み物 
<業界50年・再生>LPガス、供給途絶す
*湾岸戦争、タンカー動かず
*クウェートの大打撃、民備取り崩さず
*業界、緊急事態の早期打開へ奔走
*平時の対応、国備実現へ
地 方 版
特集記事 / <欧州ガスエネルギー事情調査団リポート>
  • 国境越えて進む水平統合
  • スペイン=新築住宅年70万戸に沸く 国民は「将来の不安低い」
  • オランダ=LPG車が36万台活躍 女性客も自ら充填
  • フランス=変わる産業構造、比重増す民間サービス
住 設 供 給 機 器 / 新 技 術
G H P と コ ・ ジ ェ ネ 版 GHP出荷実績
17年第2四半期
第11回GHP販売事例論文コンテスト結果発表
先 週 の 日 刊 プ ロ パ ン ・ ブ タ ン 情 報>
以下の見出しは日刊プロパン・ブタン情報からのものです
日刊プロパン・ブタン情報についてはこちらから
  • 10月31日(月)
    * 大手都市ガス会社と電力会社が共同で高効率給湯器調査
    * コラボ設立総会、エコウィル商標権、地震対策研など下期の具体的活動を決定
  • 11月1日(火)
    * 岐阜県協会、災害対策マニュアル作成し実地検証
    * <データ>17年3月末現在の所管別販売事業者数
  • 11月2日(水)
    * サウジCP天井知らずで11月プロパン535ドル、ブタン555ドル 
    * 経済産業省が都市ガス完全自由化へ議論開始
  • 11月3日(木)
    * 休日の為、休刊
  • 11月4日(金)
    * 秋の叙勲、安西邦夫氏(旭日大綬章)らが晴れの栄誉に
    * 地球温暖化防止で世界の英知を結集へRITEがシンポ
  ご希望の方に見本紙をお送り致します。
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2005(H17)年
11月7日(月曜)
第2650号

PBN2005-11-07-01

サウジCP天井知らず
11月プロパン535ドル、ブタン555ドル
本格的な需要期 予断許さぬ原料事情

 サウジアラビア国営石油会社サウジアラムコのCP(コントラクトプライス=LPガスFOB価格)が天井知らずの上昇を続けている。10月31日、輸入各社に通知してきた11月CPはトン当たりプロパン535ドル、ブタン555ドルと共に前月比30ドルもの上昇で、最高値記録をまた更新した。これにより今年1〜11月のCP平均価格がプロパンで前年比70ドル高の41ドル、ブタンで同73ドル高の427ドルとなり、共に2割もの高値となっている。値上げ転嫁作業と需要の維持・開発に掛かる業界の負担は原料価格の値上がり以上に重い。しかも本格的な需要期を迎える中、大型ハリケーンで被害を受けた米国湾岸製油所の再開時期が遅れ、12月15日に予定されるイラク新政府樹立に反発する国際テロ組織の動きによっては、CPが未体験の領域へと跳ね上がる懸念さえあり、原料事情は少なくとも年内いっぱい予断を許さない状況にある。


PBN2005-11-07-02

国内市況、全面高鮮明

 サウジCPの値上がり続きで、国内流通価格はCIFベースで今年度上期平均が前年同期に比べトン当たり1万円近い値上がりとなるなど、全面高の局面が鮮明になった。暫定値上げ交渉に加え、今後、中長期の問題として費用負担の大きい大口用からユーザー離れの懸念が増大し、頭の痛い需要期入りである。


PBN2005-11-07-03

営業益20億円増も厳しさ
16年度LPG元売17社決算 価格転嫁及ばず

 資源エネルギー庁は10月31日、平成16年度のLPガス元売17社の決算概要を発表した。LPガス輸入価格高や原油高による原価上昇で増収となったものの、価格転嫁しきれず売上総利益は前年度比42億円減少。ただ、合理化努力を進めた結果、本業の儲けを表す営業利益は20億円増となった。


PBN2005-11-07-04

08年度顧客数21万戸へ
大阪ガスグループLPG事業目標 3年で4万戸増

 大阪ガスは10月31日、2006〜08年度の新中期3カ年経営計画「デザイン2008」を発表した。同社はこの中で、LPG事業の一層の効率化と事業拡大を打ち出した。具体的にはグループ中核会社と位置付けるリキッドガス(本社・大阪市)と日商LPガス(本社・東京)を軸とする小売顧客数は08年度で21万戸、商権買収などにより現状に比べ4万戸程度伸びると見込んでいる。
 近畿ではリキッドガスを中心に都市ガスとの連携を深め、オール電化との対抗力を強めながら販売量を増大する。リキッドガスと日商LPガスの事業規模は04年度実績が16万6,000戸、76万6,000t、05年度見込みが17万戸、77万tだが、新中計によると、08年度の目標は21万戸、93万tとした。



PBN2005-11-07-05

家庭用
値上げの動き広がる
長野県業界 立方10〜40円

 長野県業界では10〜11月にかけて、家庭用小売価格を1立方m当たり10〜40円の幅で暫定値上げする動きが広まっている。県内事業者の多くは昨年秋に20円前後の暫定値上げを実施したが、その後もCPが高値で張り付いたため値戻しできないでいた。そこへ今秋のCP最高値連続更新に追い討ちをかけられ、やむなく再度の値上げに踏み切る。
 今秋の値上げ幅は10、20、25、30、40円と各社各様。偏差値の中心は25円辺り。10月CP通告前に値上げ方針を決めた事業者は10〜20円、発表後に決めた事業者は25〜40円と方針決定時期によって格差が出た。中には、10月に20円、11月に10円の2段階値上げを実施する事業者もある。
 8月の県内家庭用10立方m小売価格(石油情報センター調べ)は6,018円だったが、12月は6,300円前後まで上昇しそう。当面は9月比26%上昇した12月CP(プロパン535j)への対応が焦点となるが、一部で逆ザヤ現象が生まれている業務用価格の是正こそが最優先課題と言えそうだ。



PBN2005-11-07-06

東北電力
やみくもに電化営業せず
目的は「温水器頼み」からの脱却

 東北液化石油ガス保安協議会(鈴木正志会長)の経営開発委員会(西村尚郎委員長)は10月26日、仙台市のブラザー軒で会員対象の研修会を開き、東北電力のオール電化営業を担当する社員による講演会を行った。同社社員は「東北と新潟の7県でオール電化の営業を行っているのは約350人。1営業所当たり3〜5人の体制」「省エネ住宅にマッチした形でのオール電化住宅推進を図っている」などと電化営業の現場を説明した。オール電化住宅の普及方針については、「省エネ基準に合致した高断熱・高気密住宅への志向性に対応する形で推進する」とし、やみくもにオール電化住宅を普及させる考えのないことを強調した。


PBN2005-11-07-07

あきんどネット
何でも扱い電化を防ごう
督永常雄商店(滋賀県野洲市、督永勝次店主)

 「前からせなアカンと思てたことがようやくできました」と話す督永常雄商店(滋賀県野洲市)の督永勝次店主。今年2〜5月、給湯器とこんろの無料点検を実施した。顧客に喜んでもらうのが狙いだが、社員教育の意味も込めている。そこで派遣会社のスタッフの力を借り、社員と同行してLPガス顧客700件の6割程度を訪問した。
 点検の結果、自然と買い替え需要が掘り起こされ、燃転も含め給湯器25台を販売できた。点検期間終了後も修理や買い替えの電話が相次ぎ、2カ月でガラストップこんろ10台の注文を受けた。督永氏はそれも点検訪問の成果と考えている。「もし訪問がなければ買い替えではなく、修理だけで終わっていたと思う。客先を回れば結果が出ると分かり、社員にも刺激になったようだ」
 点検訪問の後は出張展示会に取り組んだ。地域の公民館を会場にガラストップこんろなどを展示、売り上げより最新ガス機器に触れてもらうことに主眼を置いた。各地で5回ほど開催した後、店内の展示スペースを使って締めのイベントを行った。
 10月1、2日の2日間行った自店での展示会ではバルーンショーや屋台を呼んで顧客に楽しんでもらった。注目はこんろと給湯器をセットにした「督トクセットメニュー」。店名と「お買い得」をかけたネーミングである。5年間無料修理付きで60回分割払いとした。ガラストップこんろ3種類(うち据え置き1種類)と給湯器・風呂付き給湯器の組み合わせで月々の支払額を早見表にしている。例えば据え置きガラストップと風呂付き給湯器なら月額2,267円という具合。さらにオプションとして浴乾を加えるプランもある。金利・手数料は無料とし、早見表に5年分の金利・手数料を赤字で書き込んだところ、迷っていた客が「こんなに割り引いてもらえるのか」と買ってくれたという。
 特筆すべきは早見表の中にIH(月額4,148円)も入っていること。展示用に2口オールメタルの高級IHも用意した。といってもIHを売るのが目的ではない。IHに興味のある顧客の来店を促し、ガラストップの良さを知ってもらう対電化戦術である。チラシにもIHを扱っていることを明記した。ガスの優位を示す比較表を準備、説明時のスタッフの立ち位置まで考えて、顧客がガラストップに関心を持つよう配慮した。
 IHを扱うことへの違和感もあったが、督永氏は「息子が跡を継ぐと決めた以上、今後何十年続く事業にせねばならない。そのためには何でも扱える店にならねば」と判断した。その一環として、今回初めてウォーターオーブン、電子レンジ、空気清浄機、食器洗い乾燥機、生ごみ処理機などの売れ筋電化製品を一堂に展示した。「お客さまの台所は当社にまかせてください」というコンセプトである。結果は“吉”と出て、まとめ買いする顧客もあったという。
 とにかく始めてみる。修正は走りながらすればいい。そんなスタイルで未来に続くビジネスモデルを作り上げていく。



PBN2005-11-07-08

欧州 国境越えて進む水平統合
本紙派遣 調査団リポート

 石油化学新聞社・欧州ガスエネルギー事情調査団(三國雄一団長)は10月5〜13日、市場自由化が進むスペイン、オランダ、フランスの3カ国を訪問した。欧州のガス開発は第二次世界大戦直後の西側と東側諸国によって差異が生じ、西欧は天然ガスを国産し、東欧は当時のソ連からガス供給を受けていた。しかし、1960年代になり、西側諸国もソ連からガス供給を受け大きな影響力を持つようになった。時は経ち、EU(欧州連合)の設立により産業構造が変化した。国境を越えた合併と提携により水平統合が進み、市場にマーケットの形成を委ねた。調査団はスペインで国家エネルギー委員会から市場自由化の過程と現状について話を聞いた。オランダではSHVガス社からLPG車やオートガススタンドの現状、軽量LPガス容器についてレクチャーを受けた。最終訪問国のフランスでは、国内の経済や貿易の状況をジェトロパリセンターで説明を受け、パリ郊外の一般家庭を訪問。日本と異なるガス料金の請求方式やガス供給機器を視察した。【小浦直樹記者】


PBN2005-11-07-09

初のシンポジウム開く
建築業界から200人参加
福岡県協全卸協九州 情報提供の第一歩

 福岡県LPガス協会(寺ア和典会長)と全国LPガス卸売協会九州地方本部(石橋良英会長)は2日、マリンメッセ福岡(福岡市)で約200人の住宅関連事業者を集め「エネルギーベストミックス時代の住宅産業とガス事業の展望」をテーマとした初のシンポジウムを開いた。LPガス業界関係者を含めた参加者は約300人。サブユーザーの意向が消費者の住まいに関するエネルギー選択に影響を与えるケースは多いが、これまでLPガス業界のサブユーザーに対するアプローチ不足が指摘されてきた。7月に福岡県協嘉飯山支部が開いた建築士との情報交流会など連携を強める取り組みが活発化しており、今回のシンポジウムを機にLPガス業界とサブユーザーとの交流に一段と弾みがつくことが期待される。


PBN2005-11-07-10

活火山
業務用価格は是正不可欠

 ○…原油の高騰に引きずられLPガスの輸入価格はトン500ドル時代に入った。この高値はしばらく続くとの観測がもっぱらだ。CP500ドル時代の経営はどうあるべきかツバメガスフロンティアの和田静樹社長に聞いた。
 「(原料価格が)上がれば転嫁する。下がれば、下げる。これが基本だと思う。電力、都市ガスの動向は無視できないが、ここまでCPが高騰すれば転嫁なしでは持ちこたえられない」。ごくごく当たり前の話しだが、この当たり前の話しを消費者に理解してもらうには「日頃の接点活動、ふれあいが不可欠」となる。その積み重ねによる信頼関係が構築されているならば「自信をもってやれるはず」と和田さん。「プロパンは利便性が高くて環境にも優しい。お客様もそのことは十分に承知している」。
 同社は10月検針分から1立方m当たり10円の値上げを打ち出したが、一段と上昇が伝えられる11月以降のCPの動向を見て、来年1月にも再値上げする構え。
 家庭用については理解が進んでいるが、問題は業務用。これについては「赤字を出してまで販売することはできない。その余裕もない」と強い姿勢で臨む方針だ。
 ○…新日石ガス九州の速水修二社長も業務用の価格是正については早期の是正を訴えている。「この1年で原料価格の上昇分は当社で2億円にも達している。いくら努力しても企業内努力では抱えることはできない。当社は福岡地区で9月から、熊本地区で10月から1立方20円引き上げた。ただ、業務用では一部に採算のとれないところが残っている。お客様には十分説明するが、それでも値上げを飲んでいただけないなら、引き続いて供給するかどうか考えなくてはならない。それだけの覚悟を固めている」「ただ、万一当社が供給できないとなったとき、他からもっと安い価格で入って来る可能性もある。そのときはそのような企業を問題にしたい」。
   ◇   ◇
 この高値時代にそのような企業は現われないと思うが、こればかりはわからない。安く供給する努力は当然としても、採算無視はいただけない。それでなくても業務用と家庭用の価格のねじれは問題なのだから。不当な安値販売について心ある業界人がウオッチするのも意味あることかもしれない。



PBN2005-11-07-11

容器の雪氷、簡単に融解
「解氷くん」 ガス検が開発、発売

 ガス検(本社・朝霞市、村本晃一社長)はこのほど、LPガス容器の底部に付着した雪や氷を温水で融解する装置「解氷くん」を開発し、寒冷地のLPガス充填所向けに販売を開始した。
 雪国の充填所では、積雪時に軒先から回収した容器のスカート部に雪氷が凝着し、それを除去するのに手間取ることが多い。同社は今回開発した「解氷くんを使えば、安全かつ簡単に凝着した雪氷を融解・除去でき、作業負担の軽減と充填効率の向上が図れるうえ、充填精度も確保できる」として、提案営業に力を入れる方針だ。