2005(H17)年
3月28日(月曜)
第2619号 春季特大号
PBN2005/3/28-01
福岡県西方沖地震
誰よりも早く玄界島入り LPガス事業者
協会、NHK通じ周知図る

 20日午前10時53分頃、福岡市沖の玄界灘を震源とするマグニチュード(M)7の強い地震(福岡県西方沖地震)が発生し、福岡県の福岡市と前原市、佐賀県のみやき町で震度6弱の大きな揺れがあった。死者1人、けが人735人(21日現在)を出す被害を出した。
 福岡・佐賀両県のLPガス販売店は地震発生直後から一斉に顧客を回り、設備を点検した。マイコンメーターが作動し、大きな揺れのあった地域ではガス供給が自動的に遮断されたため、二次災害はゼロだった。
 販売店や協会には復帰方法を問う声が次々に寄せられ、適切に対処するとともに、福岡県LPガス協会ではNHKを通じ広く復帰の方法を知らせた。
 最大の被災地となった玄界島では、自衛隊や警察より早くLPガス事業者が自船で駆けつけ、地元消防団とともにガス供給遮断の措置をとった。
 玄界島に近い福岡市西区西浦地区、宮浦地区などの被害も大きく、地震発生直後からLPガス事業者が現地で安全確認などの対応に当たった。
 LPガスは災害に強いといわれるが、それは販売事業者の迅速な活動に支えられていることが今回の地震でも改めて示された。



PBN2005/3/28-02
CO2削減技術が結集
愛知万博開幕 産ガス国はPR合戦

 「自然の叡智」をテーマにした愛知万博(愛・地球博)が25日、愛知県の長久手・瀬戸の両会場で開幕した。「環境博」の別名がある愛知万博だが、近未来の小規模分散型電力網といわれる「マイクログリッド」など、わが国が誇るCO2削減に有効な新技術(コージェネ、燃料電池、太陽光発電)が集結した点で注目される。
 愛知万博はまた、LPガス源が原油から天然ガスへと主役の座に移動が始まりつつある中で開催されている点でも注目される。特に世界の原油、天然ガスを二分するといってよいサウジアラビア、ロシアが長久手会場に出展したパビリオンでは日本向け原油、天然ガスビジネスの拡大を狙った広報宣伝が目立つ。



PBN2005/3/28-03
1キロワットコージェネ
電気代、灯油代を大幅に削減
「北国にメリット大きい」
カメイ1月消費データで実証

 カメイ(本社・仙台市、亀井文行社長)はカメイガスクラブ(大塚耕司会長)の研修会で、同社直売の1kwガスエンジンコージェネの設置先の消費データを公表。熱をたくさん使う消費者にとってはメリットの大きな「北国向け商品」であることを実数で示した。販売店に対し「東北で生きていくため」の必須課題だとしてガスエンジンコージェネ販売への取り組みを要請した。


PBN2005/3/28-04
福岡県西方沖地震
親身になってボランティア活動
販売店各家庭を巡回

 20日に発生した福岡県西方沖地震で、福岡市内のLPガス販売店も地震発生直後から一斉に担当地区を回った。
 宝プロパンガス(志免町)の吉村郁久社長によると、同社のエリアでは「供給先の約一割がマイコンメーターによって自動遮断した」という。その後、復帰については顧客が自分で対応したところもあれば会社あるいは担当営業マンなどが適切に対応した。
 県協会にもガス遮断についての問い合わせが5、6件消費者相談窓口を通じてあったという。同協会ではNHKを通じガス遮断した場合の復帰方法について情報を流した。福岡支部でも職員が待機。今のところ二次災害などは報告されていないという。
 西浦地区(福岡市西区)は玄界島に近く、漁師と農家が多い。地震発生直後に九州ガス燃料周船寺営業所の中村弘之所長ら社員が現地に入り、各家庭を巡回してLPガス設備の状況を調査すると共にガスの元栓を閉じた。
 玄界島と違い、翌21日には復旧活動が始まり、住民の要望に応じて安全を確認した上でガス供給を再開。石油化学新聞社は21日に西浦地区に入り、中村所長らに接する機会を得た。
 中村所長らはLPガスの迅速な復旧に努めるだけでなく、瓦の破片や落壁の後片付けを土嚢に入れて手伝うなど、ボランティアの仕事もこなしていた。高齢者の多い同地区で親身になった活動をするLPガス事業者の姿に触れることができた



PBN2005/3/28-05
リコーエレメ
新S型メーター「R−ONE」発売
料金メニューに柔軟対応

 リコーエレメックス(本社・名古屋市、中村高社長)は22日、従来のS型メーターの後継機種として「R−ONE(アールワン)」(新S型メーター)を6月1日から発売すると発表した。昨年から出始めた検満メーターの交換に対応したもので、流量区分別積算機能を拡充し料金体系サービスの提案などによる顧客満足を実現したのが特徴。同社では「R−ONEは消費者や販売事業者の声を反映させて開発した。今年度は35万個を販売したい。価格は従来のS型メーターと同額」とした。


PBN2005/3/28-06
ものづくり愛知、活力ある愛知
アイシン精機GHPで発信

 活力ある愛知、その象徴的企業はいまや世界に冠たるトヨタ自動車だ。トヨタ自動車は国内景気を押し上げ、同時に中部国際空港の開港と愛・地球博の開幕というビックプロジェクトをけん引してきた。そのトヨタのグループ企業、アイシン精機はガス業界の中で、GHPをもって製品の信頼性と技術力で着実な実績を積み重ねている。そこで今回、国内外で注目されているプロジェクト中部国際空港の開港を受け、関連施設と物流ゾーンに相次いで採用されたアイシン精機のGHPと、同社の技術力を示した家庭用燃料電池(トヨタと共同開発中、参考出展)の、愛・地球博への展示についてクローズアップした。


PBN2005/3/28-07
幕開けした環境とエネルギーの時代
愛知から全国へ“アピール”

 愛知から「環境宣言」を発信へ――。中部国際空港の開港、国際博覧会「愛・地球博」の開幕と、愛知県で国際的ビックイベントが相次いでいる。これを受け、中部圏は愛知県を核に国内景気をけん引し、活力ある愛知として内外で脚光を浴びている。そうした中、「環境とエネルギー」というテーマで、愛知県LPガス協会の協力を得て4日、名古屋市の愛知県LPガス協会事務所で、後藤庄樹会長と3人の副会長に集まってもらい意見を交換してもらった。テーマは「環境」を中心に、業界の抱えている問題、対電化、販売と保安のあり方などに及び、近い将来、愛知県協会として「環境宣言」を発信し、今後の業界をリードしていこうという方向性が示された。


PBN2005/3/28-08
エネルギー新時代 わが社の挑戦
ご当地有力各社に聞く営業・経営方針

 地球温暖化防止に向けてLPガスは新時代の幕を開けた。その中で愛知県はいま、中部国際空港「セントレア」の開港、国際博覧会「愛・地球博」の開幕で活気づいている。一方で市場は、自由化や規制緩和の進展によって競争環境が激化している。特に電力の攻勢は凄まじい。そうした市場の中で、国民生活に密着したクリーンなエネルギーとして位置づけられたLPガスがどのような活力を発揮していくか。そこで、空港と万博で賑わう当地のガス供給・販売事業者に、「エネルギー新時代、わが社の取り組み・挑戦」のアンケートを実施。LPガスの拡大に向けた営業・販売施策の優先順、その取り組み、今後の経営課題に対する考えなどを聞いた。


PBN2005/3/28-09

愛・地球博 
環境と科学技術の融合

 愛知万博(愛・地球博)は環境と科学技術が融合する様々なプロジェクトが大きな見所だ。長久手会場に出展するエネルギー関連パビリオンからもCO2削減技術、3R(リデュ−ス、リユース、リサイクル)、クリーンな天然ガスの活用という形で、省エネルギーを最も重視した取り組みが発信されている。また、愛知万博には海外120カ国と4つの国際機関が出展。過去にわが国で開かれた万博の中で最大規模となる。各国・機関のパビリオンは長久手会場に設えられた6つのゾーン(グローバル・コモン)に出展・展示している。エネルギー関連パビリオンの代表例と、わが国と関係の深い産ガス国パビリオンの見所を紹介する。


PBN2005/3/28-10
総括レポート “3R”で新市場を創造
GHPによる需要拡大
進化する機種的確な提案を

 05冷凍年度第1四半期(04年10月〜12月)のGHPの出荷台数は、前年同期比2・0%の微増。LPガス仕様・都市ガス仕様ともに経済情勢と設備投資動向、EHPとの競合、ガス単価対応などによって伸び悩んだ04冷凍年度の影響を引きずる形となっている。しかし、社会的な認知度の向上や市場規模の拡大に伴って、性能・品質の向上、ロングメンテ、商品ラインアップの拡大などによってGHPは着実に進化を続けている。そうしたなかで、最近ではリニューアル・リプレース・リフォームといった“3R”への的確な提案が新たな需要創造への最重要課題となっている。EHPからの転換をも含めて、いかにリニューアル物件を確保するかがLPガス空調市場のテーマだ。


PBN2005/3/28-11
ルポ・市場創造わが社の事例
ガス機器の提案販売で大成果

 厳しいエネルギー大競争時代にLPガス業界が市場を拡大していくには、販売店が自らの手でユーザーにガス機器を提案販売し、消費者がコストや保安・サービスの面で何の気兼ねもなくガスを使える生活を一般化していく努力が肝要だ。機器周辺の保守・点検サービスや給湯熱源機のグレードアップ提案を通じてガス機器の普及拡大に取り組む四社の事例を紹介する。


PBN2005/3/28-12
ストップ・ザ・電化! 価値提案編
挑戦と創造で電力攻勢を迎え撃て!

 規制緩和の進展などを背景にエネルギーの競争環境が激化し、これまで、厨房は「ガス」、給湯は「ガス・石油」、空調は「電気・ガス」といった棲み分けの時代が確実に終焉しつつある。中でも電力の攻勢は凄まじく、今まで“西高東低”で推移してきた電化攻勢も、最近では東京電力が大々的に“Switchキャンペーン”を展開するなど、電化の波は急速に関東地区にも広がり始めている。LPガスエネルギーの課題は、競合エネルギーに負けない元気で活力ある業界づくり。幸い業界にはエネルギー無境界時代を勝ち進む市場戦略機器が目白押しで、LPガスのキー・コンセプト(環境対応、災害に強い分散型エネルギー、価値提案、総合エネルギーショップ等)も確立されてきた。“ストップ・ザ・電化”や“ベストミックス”のもと、イベント(ガス展、比較実験)、料金政策、アライアンス(連携)、情報発進、ブランドなどの戦略・戦術を展開し、ガス利用価値を提案しながら電化攻勢を迎え撃つ全国のモデル事例を追った。


PBN2005/3/28-13
徹底検証 加速する電化攻勢!!
電力各社のオール電化戦略
家庭用を狙い積極開拓

 電力自由化を背景に一般家庭への電化攻勢が加速している。本紙が算定した全国のオール電化住宅は約99万8,000戸、新築住宅のオール電化率も16%を超えるなど飛躍的に数字を伸ばしている。電力各社では電気料金の値下げやオール電化対応の料金メニュー策定など相次ぐコストダウンを進めているほか、家電メーカーや住宅メーカーを巻き込んだ研究会も活発になってきた。家庭用をターゲットにした需要開拓に力を入れる全国電力会社10社の最新の電化情報をまとめた。


PBN2005/3/28-14
ブランド力「価値」提案 オンリーワン企業の経営戦略

検証・「勝利の方程式」

 LPガスは顔の見える環境に優しいエネルギーとして飛躍の時を迎えている。次代の扉を開くカギは、顧客満足、ブランド力、価値提案、中期経営計画、NGPなど多岐にわたる。攻めの経営で“勝利の方程式”を実践する代表的な企業を検証した。



PBN2005/3/28-15
LPガス国際セミナー2005
エネルギー間競争下の将来像

 LPガス国際セミナーは産消対話を通じて相互理解を深めるため、1996年に第1回を開催して以来今回で第10回を迎える。今回も趣旨に沿って有意義なセミナーになることを期待している。LPガスはクリーンさと簡便さによって世界中で広く使われている。日本では2003年10月、エネルギー基本計画でLPガスが一層重要なエネルギーに位置づけられ、取り組みの活発化が期待されている。一方で、規制緩和、自由化の進展によってエネルギー市場の垣根が低くなり、エネルギー間競争は激化している。LPガス業界は厳しい時代にいる。その中でCP(サウジアラムコのLPガスFOB価格)が異常に高騰し、他のエネルギーとの競争力において阻害要因となっており、価格の安定性を望むものである。第10回セミナーは「厳しいエネルギー間競争下のLPガス業界の課題」をテーマにした。それぞれの立場、事情はあるが、2日間(2月24、25日)で日本のLPガス業界が抱く危機感を共有化していただき、LPガスの将来が雄々しくなるよう期待するものである。【LPガス国際セミナー2005議長を務めた武内正明・LPガス振興センター理事長の初日あいさつから/東京・新橋の第一ホテル東京で】主要発表者のプレゼンテーション要旨を紹介する。



PBN2005/3/28-16
地域温暖化防止に貢献する高効率機器
給湯器厨房機器
最も現実的なクリーンエネルギー
普及促進へ、国も後押し

 2月16日に京都議定書が発効したことで、地球温暖化効果ガスの抑制に向けた国際公約は、各国にとって必達すべき現実的な課題になった。しかし、わが国はCO2の6%削減を約束しているものの、現状は逆に基準年に対し8%増という状況。必達するには、都合14%もの削減が必要となる。このため、国は温暖化効果ガスの排出量が相対的に低い高効率機器の導入促進に力を入れており、2010年には高効率給湯器を総世帯の16%、800万台を普及させる計画だ。05年度からはこれに続き、高効率厨房機器の導入促進も図る。こうした中で、最も取り組み強化が求められているのがLPガス販売業界。一口で言うと、導入促進への動きが鈍いからだ。LPガスは全国津々浦々まで普及しており、温暖化効果ガスの抑制を全国一体になって進めるには最も現実的で、実効性が期待されるクリーンエネルギーである。もっともっと導入促進に力を入れてもらう狙いから、あらためて導入促進事業の目的と現況、期待担う優れものの給湯・厨房機器たちをクローズアップした。