2004(H16)年
11月15日(月曜)
第2601号
PBニュースHP 2004/11/15 01

新潟県中越地震
全国からの温かな支援に感謝
「仮設住宅」熱源にLPガス
災害3点セット確保、組織強化

 新潟県LPガス協会の古川武会長(新潟サンリン社長)は10日、新潟市内の新潟サンリン本社で本紙インタビューに応じ、10月23日に発生した新潟県中越地震の被災に対する全国からの温かな支援の輪に感謝の意を表した。その上で古川会長は、冬本番を前に家を失うなどした被災者のため、急ピッチで各地に建設が進む仮設住宅の熱源にLPガスが採用されることとなり、供給に万全を期す考えを強調した。一方、古川会長はLPガス業界の今後の災害対策について「3連こんろ、ヒューズガス栓、調整器」の3点セットを備品として確保すること、また組織的に復旧・復興支援活動を行うため、県協会11支部の傘下にブロック、班を新たに設ける組織の細分化案を明らかにした。また、11日には他のライフラインに先がけて復旧完了を宣言した。(聞き手=河野博記者)

PBニュースHP 2004/11/15 02
復旧完了を宣言
新潟県協、卸協新潟 「災害に強い」実証

 新潟県LPガス協会(古川武会長)と全国LPガス卸売協会新潟支部(五十嵐亮造支部長)は震災から20日目の11日午後、新潟県中越地震で被災した地域のLPガス世帯の復旧がほぼ完了したことから「LPガス(プロパンガス)は、いち早く復旧を完了」の文書を発表し、復旧完了宣言をした。地震被災地域の世帯数は約27万世帯で、そのうちLPガス世帯は約8万世帯。
 県内のLPガス販売事業者は10月23日の地震発生直後から安全確認やバルブの閉栓、倒壊した家屋からの容器回収など二次災害の防止を第一に点検作業を行った。度重なる大きな余震発生に再点検を余儀なくされながらも安全点検は順調に進んだ。また、マイコンメーターが揺れを感知し、ガスを止めたことなど安全装置の作動により、LPガスによる事故は発生しなかった。

PBニュースHP 2004/11/15 03
LPG課税額キロ1.96円
環境税使途で具体策

 環境省は5日、地球温暖化問題の一環で平成18年1月からの導入を目指している環境税の税収を温暖化対策や雇用促進などの取り組みに利用するとの具体策を発表した。
 環境税の課税対象はすべての化石燃料と電気。上流課税(石油精製会社から移出の段階または輸入した段階で課税)と下流課税(消費時点で課税。石炭、重油、天然ガスは大口事業者に課税)の2つに分け、上流課税はガソリン、軽油、灯油、LPGの4種類、下流課税は石炭、重油、天然ガス、都市ガス、電気、ジェット燃料の6種類と分類している。

PBニュースHP 2004/11/15 04

新潟県中越地震
続く余震、冬到来
厳しい現実と闘う被災者

 新潟県中越地震から3週間が経過した。今なお続く震度5クラスの余震の恐怖と闘いながら、確実に復興へ向けた足跡を残している。災害直後には完全に途絶えてしまった電気・水道・都市ガスは長岡市内では一部の地域を除いて復旧した。仮設住宅の建設も始まり、避難所にはボランティアなどの支援もあって温かい食事が提供され、仮設風呂も設置されるなど、被災者へ各方面からの支援が相次いでいる。しかし11日午前9時現在、県内全域の163カ所で1万2,000人以上の住民が避難所生活を余儀なくされており、復旧の一方で到来する冬に向けて被災者には厳しい現実がある。【取材・カメラ/河野博記者、カメラ・井上泰之記者】

PBニュースHP 2004/11/15 05

避難所に簡易風呂設置
滋賀業界有志がボランティア

 滋賀県のLPガス販売事業者有志が3日、ボランティアとして新潟県中越地震の被災地、小千谷市に入り、避難所に簡易風呂を設置した。被災者を支援するとともに、災害に強いエネルギー・LPガスを印象付けた。
 参加したのは鹿取商店(近江町)、たわだ商店(びわ町)、北伊ホームガス(彦根市)、前田商店(五個荘町)、伊東商店(近江八幡市)、中村ホームガス(日野町)、宮川石油(豊郷町)、宮川燃料(守山市)の8事業者・9人。小千谷市の対策本部との打ち合わせにより、約50世帯がテント生活を送る避難所、千田中学校に簡易風呂3台を設置した。ガス、水道、電気工事だけでなく、脱衣場も手作りで作った。
 同市の近隣では長岡市に入浴施設がある。しかし、移動手段などの問題から、お年寄りを中心に避難所付近に風呂が求められていた。中には10日ぶりの入浴と喜ぶ人もいたという。
 中村ホームガスの中村幸太郎社長は「被災者の中には『本当に滋賀県から来てくれたの?』と驚く方もおられたが、少しでもお役に立ててよかった。被災地を自分の目で見て、改めて地震対策の重要性を痛感している。これを機会に滋賀県の枠を越えて、災害支援の輪を広げられれば良いと思う」と話す。

PBニュースHP 2004/11/15 06
車椅子2台を寄贈
松本支部青年部こども病院に

 長野県LPガス協会松本支部青年部会(宮野秀幸部会長)は、ガス器具の廃品リサイクルで得た収益金で子供用車椅子2台を購入し、10月27日に県立こども病院(豊科町)に寄贈した。
 同青年部会は市街地の清掃や献血などのボランティア活動を積極的に展開しているが、今回の医療支援事業は「同じ年代の子を持つ親たちとして、病気と闘いながら未来を切り開こうとしている子供たちのために少しでも役に立てれば」(宮野部会長)との思いから実行した。

PBニュースHP 2004/11/15 07
家業用値上げ本格化
東海・北陸“2段階”採用も

 東海・北陸地区の有力LPガス事業者は、11月CPの上昇(トン当たりプロパン463j、ブタン473j)を受け、多くの事業者が、12月検針分から立方b当たり20〜30円を値上げに踏み切る。10、11月検針分から値上げした事業者を含めると、ほぼ全事業者が値上げしたことになる。
 また、一部の事業者は、10月検針分から同20〜30円値上げしても、11月CPの急騰から12月検針分、あるいは17年1月検針分から、再度同10〜20円を値上げする“2段階値上げ”を採用する動きも見られる。

PBニュースHP 2004/11/15 08
電化対抗も自主保安の徹底から
16年度消費者保安推進大会

 「平成16年度消費者保安推進大会」(主催=経済産業省・LPガス安全委員会)が10月28日、東京・千代田区の一ツ橋如水会館で開かれた。ここ数年、産業界での重大事故が相次いだこともあり、あらゆる業界で安全体制の再構築が求められている。LPガス業界としても、勢いを増す電化攻勢をはじめとした競合エネルギーに負けないためにも、今一度、LPガス事業の基盤である消費者保安を再確認するとともに、安全・安心なLPガスを世にPRしていく必要がある。こうした背景の下に開催された今大会は、自主保安の取り組みをポイント化することで、消費者からも保安優良事業者が分かるようにしたことが大きな特徴。日本LPガス連合会主導による「全国一斉保安高度化運動」が展開されるなか、消費者密着による自主保安の徹底が電化対策にもなることを確認する大会となった。

PBニュースHP 2004/11/15 09
「災害避難所にはLPガス常備を」
特別講演山村武彦氏

 「大規模地震などで被害を受けると都市ガスは復旧に1カ月余りかかる。こういう時のためにLPガスを、防災の観点からも、バックアップのガス設備として避難場所や公的機関には必ず設けるべきだ」。
 式典終了後に「大地震!その時どうなる・どうする」をテーマに特別講演をした防災アドバイザーの山村武彦氏は、大会の5日前に発生した新潟県中越地震の被災状況などを示しながら、「いざという時にライフラインとしての対応が遅れるシステムは良くない。LPガスの常備を義務化し、そういう物件が増えることが必要だろう」などと強調。業界関係者に、日常からの危機管理の重要性を訴えた。
 山村氏は1964年の新潟地震でのボランティア活動を契機に防災システム研究所を設立。以来、現場主義に基づいた実践的な防災対策のアドバイザーとして活躍しており、当日も現地調査中の新潟から駆けつけての講演となった。自主保安の取り組みをもっとPRしていくことを確認した大会のなかで出された公的機関などへのLPガス常備案。業界としては心強い提案でもあった。

PBニュースHP 2004/11/15 10
福岡県協福岡支部
ガス機器リース開始
団体で全国初 ガラストップや浴乾など

 福岡県LPガス協会福岡支部(泉博文支部長)は、LPガスの団体としては全国でも初めての試みとなるガス機器のリースに着手した。リースの対象となる機器は、同協会で展開中の「プラスワンキャンペーン」で扱うガラストップこんろ、浴室暖房乾燥機、マルチ熱源給湯器、潜熱回収型給湯器などの高額商品(床暖房は除く)。消費者に利用し易くすると同時に顧客とのパイプを一層太くするのが目的。電力攻勢を防ぐ狙いもある。

PBニュースHP 2004/11/15 11
高機能こんろ
1カ月で52台販売
ヒラオカ オール電化に対抗

 ヒラオカ(本社・唐津市、平岡務社長)は、ガス機器販売で着実に成果を上げている。
 特に、高機能卓上こんろの販売実績は、9月度1カ月間で52台に達した。「佐賀県のなかでも、とりわけ唐津地区はオール電化率が高い」(同社、渡部孝司部長)が、ガス機器販売に本腰を入れ、オール電化対策を図っている。
 機器提案は専属社員4人が担当。社内で推奨機種を決め、「ボタン1つで火加減を自動で調節してくれるから便利」―などと特徴を分かりやすく説明。さらに、購入者には炊飯用土鍋をプレゼント。顧客にガス炊飯の良さを見直してもらい、単位消費量のアップにもつなげている。
 一方、床暖房はこれまでに約10件に設置済み。床暖設置物件では東洋計器のハイブリッド・カウンタによる料金メニューを採用している。ガス機器関連の施工は「お客様との信頼関係を大切にしたい」(平岡社長)との考えから、すべて自社で賄う。大手ハウスメーカーと連携し、高レベルの要求をクリアしていくなかで施工技術も向上しているという。今後は「電気工事士の養成にも注力していく」(同)考え。

PBニュースHP 2004/11/15 12
松下電器
家庭用FCを市場導入
東ガス通じ新首相公邸に設置

 松下電器産業は4日、1`h家庭用燃料電池コージェネレーションシステム(LNG仕様)を2004年度末から東京ガスを通じて市場導入すると発表した。これは燃料電池の心臓部であるスタック(発電装置)の運転寿命1万3,000時間が確認され、実用効率や信頼性と量産化にほぼメドがついたため。大阪ガス、東邦ガスは2005年度末から、LPガス仕様もやや遅れるが市場導入に向けて準備していることを明らかにした。また、2005年3月に完成予定の新しい首相公邸に、世界で初めて商用化される家庭用の燃料電池を設置する。