2004(H16)年
11月1日(月曜)
第2599号
2004/11/01プロパン・ブタンニュース HP01

復旧に全力を注ぐLPガス業界
新潟県中越地震
 10月23日午後5時56分、震度6強(マグニチュード6・8)を本震とする新潟県中越地震が発生、その後も震度6クラスの余震が続き、小千谷市、十日町市、中里村、長岡市、栃尾市など中越地方一帯が壊滅的な被害を受けた。家屋等の倒壊で8万9,244人(27日現在)が避難生活を余儀なくされ、家屋等の全半壊・一部破損は6,668棟(28日現在)に上っている。鉄道や道路はがけ崩れと地盤変動によって各所で寸断され、復旧活動を困難にしている。都市ガス網も一時約5万6,000件が供給停止した。被災地のLPガス出荷施設に幸い大きな被害はなく、マイコンメーターの遮断機能の働きなどで被災地から二次災害の報告はない。ただ、激しい揺れで容器の転倒があちこちで起こり、自ら被災者となった地元業者は他県からの救援隊の助けを得て、被災者に温かい食事と湯を提供しようと、震災直後から日夜を問わない復旧活動を展開している。【取材・カメラ=河野博記者、井上泰之記者】
倒壊した家屋から容器を回収する販売業者の従業員 屋外での炊き出し、被災者は「小型ガスボンベがあり、大変助かった」。

2004/11/01プロパン・ブタンニュース HP02

社 説

 夏から秋にかけて日本列島を襲った大型台風と大地震で被災されたLPガス業界の皆さんに心からお見舞いを申し上げます。被災地の1日も早い復興を祈らずにはいられません。
 台風23号と新潟県中越地震による被災地では、LPガスのいち早い復旧と、業界関係者の活躍が目覚ましい。LPガスによる二次災害も報告されていない。LPガスが災害に強いエネルギーであることを実証するとともに、いち早く復旧し、炊き出しや復興に力強く貢献していることに、あらためてLPガスならではの強みを実感させられる。
 こうした中、兵庫県但馬地区、新潟県小千谷地区では会社、自宅が被災し、仮宿舎やテント生活という不自由な中で、消費先の安全確保と安定供給を最優先に労を惜しまぬ多くの方々の働きに、深く頭が下がる。業界有志が物資を持って救援に向かい、ともに泥にまみれて安全点検と設備復旧に必死の努力を続けていることにもである。だが、水害地では大量の泥水、震災地では大きな余震が復旧作業を阻んでいる。
 本紙では、こうした復旧・復興活動に立ち上がる地元業界を支援する一環で、「新潟県中越地震・台風23号による兵庫県但馬地区災害義援広告」を募ることとした。
 一方、まだ多くの被災者が不自由な生活を余儀なくされている中で、気が早いとお叱りを受けることを覚悟で書くが、復旧・復興を支えるLPガスの力強さをあらためて広くアピールするよう訴えたい。まず、「復興住宅にLPガスの灯を点せ」と主張したい。
 仮設住宅建設の槌音が被災地から届きだした。やがて被災者が元の暮らしに戻るため、倒壊した住宅等建物の建て直しも始まる。今夏、集中豪雨に見舞われた福井県では仮設住宅がオール電化となった。新潟の場合、阪神・淡路大震災の時と同様、都市ガス網が大打撃を受けた。復旧には相当の時間がかかることになろう。
 大災害からの復旧・復興には、まずライフラインの確保が重要である。業界はこうした大災害に迅速に対応できるよう、避難所や災害対策本部となる公共施設には、普段からLPガスを供給できるようにしておくことが重要である。そのためには、こうしたLPガスの強み、特性が一般消費者や自治体、報道機関にも十分伝わるよう、業界は広報宣伝を怠ってならない。
 明日からにも具体的な取り組みを開始しなければならない。

2004/11/01プロパン・ブタンニュース HP03

立ち上がる被災地
LPガス業界迅速な初期対応

 七月に中越・下越地方を襲った集中豪雨、そして中越大地震。新潟に試練が続いている。ライフラインの寸断などを伴った地震としては昭和39年6月の新潟地震(被災2万世帯)以来。中越大地震の発生に際して、LPガス業界の初期対応は極めて迅速だった。被災した地元業者はすぐさま安全確認に走り、他県からの救援隊も翌日には入り、徒歩による地道な人海戦術によってLPガス供給設備は立ち上がっている。安否確認や被災状況などの情報収集も通信、交通が混乱した中で必死に続けられ、特にカセットこんろ+ボンベ、こんろ付小型容器のように、何時でもどこでも誰でも直ぐに使えるLPガス救援物資の現地移送も行われている。中越地方には日に日に復興の灯りが点されつつある。

2004/11/01プロパン・ブタンニュース HP04

「温かいものが食べたい」被災者

 長岡市内では28日の午後五時現在、100カ所以上の避難所で計3万5,000人が不自由な生活を余儀なくされている。
 豊田小学校(長岡市豊田町)でも約500人が避難生活を送っている。食糧不足は深刻で、全員に救援物資が行き渡らない。避難者はお年寄りが多く、憔悴しきった様子。「朝晩の冷え込みが厳しくなってきた。温かいものが食べたい」との声も聞かれた。長岡市は県内でも有数の豪雪地帯。「この状況で大雪が降ったらこの先どうなるのだろう」と不安の表情を浮かべた。連絡が取れない被災者の安否を尋ねる掲示板には多数の「尋ね人」が貼られていた。度重なる余震が被災者の不安と疲労を増大させた。27日午前10時40分には震度5強の余震が発生した。建物の中にいた人は慌てて外へ飛び出した。
 ライフラインは寸断され、町からは明かりが消えた。交差点では信号機も点灯せず、車が恐る恐る交差点を行き交っていた。また、道路の至るところで地割れや陥没・隆起が起き、幹線道路は交通規制が敷かれた。
 被害の大きかった悠久町、六日市町などでは、住民は避難しているのか、人影もまばら。倒壊した家屋や地割れした道の中を歩くと、家の片付けなどで戻ってきた人が数人いた。行き交う人たちは口々に「お互いに頑張ろう」と声を掛け、励まし合っていた。【河野博記者】

2004/11/01プロパン・ブタンニュース HP05

第3回合展 2日間で倍増6,800人動員
福島県協郡山支部 8割の販売店参加

 電気に対抗するためガスをPRしようと協会本部が郡山で「オールガス化フェア」を行ったのがそもそものはじまり。これをきっかけに、電気に対抗するためにはガス器具を売らなければならないとして一昨年から支部主催で器具拡販に力点を置いて合同展示会を開いている。
 今回は、「生活者のライフニーズにあわせてエネルギーを選択してもらう」というスタンスに変え、灯油など他のエネルギー機器も紹介、その上でLPガスの良さを強調するコンセプトに変えた。

2004/11/01プロパン・ブタンニュース HP06

堀川産業 草加市に老人ホーム竣工
GHP15台設置 年間消費量5万3,000立方b

 堀川産業(本社・草加市、堀川勲夫社長)は10月19日、草加市に建設した有料老人ホーム「草加明生苑」の竣工式を行った。高齢化社会の到来を踏まえて、地域社会への貢献を図る。運営は医療法人社団苑田会の明昭が行う。オープンは11月1日。空調設備にGHP15台(224馬力)を設置したのが特徴で、年間ガス使用量は3万5,000立方bに達する予定。ほか、給湯と厨房を合わせるとLPガスの使用量は5万3,000立方bになる見込み。
 堀川社長は「わが国は類を見ない速さで高齢化社会に進んでいる。2015年には5人に1人、2050年には3人に1人が老齢者である。建物が長きに渡り運営され、地域社会のニーズに貢献するであろう」とあいさつした。

2004/11/01プロパン・ブタンニュース HP07

( 〈兵庫県災害救助隊〉 円山川の決壊現場 ) 
台風23号被災地

 兵庫県LPガス防災協会(北嶋政次会長)は10月26日、台風23号で被災した県北部の但馬地区からの要請により、LPガス災害救助隊を組織し、豊岡市と出石町に派遣した。豊岡市には東播地区から7社、出石町には西播地区から4社が入り、消費先を回って供給機器や給湯器の復旧、交換に当たった。本紙は豊岡市に入った災害救助隊に同行取材した。【福田多聞記者】

2004/11/01プロパン・ブタンニュース HP08

氷上工場に住民100人避難
伊丹産業7,700件余に被害

 伊丹産業は10月20日に近畿地方を通過した台風23号による被害状況をまとめた。兵庫県西脇市、淡路島(洲本市、福良、津名)、氷上、舞鶴などで浸水による配管や供給機器の損傷、給湯器、ガス漏れ警報器、メーターが水に浸かるなどの被害があった。
 被害状況は、直売先で4,212件、傘下販売店で3,520件、合計7,732件だった。10月27日現在、一部の地域(舞鶴で20件)を除く7,712件の点検作業を終了した。27日からは、水害で使用できなくなった給湯器などの交換作業を急ピッチで進めている。
 また、台風23号が通過した20日の夕方から同社氷上工場に、消防署の車両が近隣住民約百人を搬送してきた。同工場は防災避難事業所になっており、過去に水害が少なかったことなどから緊急避難所になった。一時は避難してきた住民で事務所に人が溢れた。避難した住民は21日深夜2時半までにボートで避難所へ移動した。

2004/11/01プロパン・ブタンニュース HP09

ガラストップで「おいシーサー」
3日間で22万人来場

LPガス都市ガス対電化でスクラム 
第28回沖縄の産業まつり

 同協会の高良毅専務理事によると、大半の販売店が出展に協力。都市ガスとの共同で昨年の2倍となる約200平方bの展示スペースを確保した。「都市ガスは競合エネルギーだが、電化に対抗し炎の文化を守るにはガス業界全体でPRすることが大切」(同専務理事)、「ガス体エネルギー全体で消費者に良さを伝える」(沖縄瓦斯、湧川昌秀社長)といったLPガス、都市ガス事業者両者の思いが一致し合同出展にこぎつけた。

2004/11/01プロパン・ブタンニュース HP10

活火山
無事故記録途絶える

 ○…福岡県下で7月から10月にかけて3件のLPガス事故が発生した。福岡県LPガス協会はA講座(従業員教育講座)や消費者啓蒙などを通じて平成13年5月から3年間LPガス無事故記録を達成。これは消費世帯100万件以上の県では到達したことのない記録で、それが途絶えただけに関係者は肩を落としている。
 ○…一つは9月に福岡市内で起きた。中華レンジのガス栓2カ所が「開」のまま約24時間放置され、炊飯器に点火したときガス爆発。64歳の女性従業員が重症を負った。なぜガス栓が「開」となっていたのか警察が調査中だ。期限切れマイコンメーターが放置されていたことも判明。
 ○…10月に太宰府市内で発生したバルク充填作業中の事故では2軒全焼、車14台が破損した。幸い人的被害は89歳女性の軽傷1件にとどまった。店舗裏にある300`バルク貯槽に充填するためバルク車を路上に停め、裏庭を通って垣根の下越しにホースを移動中(約25b)、垣根下越しにホースを強く引っ張ったことから安全継手が外れた。その時点でガスの噴出はなかったが、ボールバルブを閉め忘れた中で作業員が安全継手のソケットとプラグを接続復帰させようとしたため、ホース内の液状LPガスが噴出した。作業員は慌ててローリー車に戻ったが、作業中の何かの火が引火・爆発。
 ○…「バルク事故は完全なヒューマンエラー。離脱した充填ホースの安全継手を再度接続するには充填所など安全な場所で行う必要があるのにそうしなかった。今後こういうことのないよう、従業員教育では特に実技面での充実を図っていく」(寺ア和典会長)、「3件の事故を教訓に、再び無事故記録更新にチャレンジする」(平湯浩二専務理事)と気持ちを新たに取り組む決意を語った。

2004/11/01プロパン・ブタンニュース HP11

富士車輌 東京モーターショーに出展
最新鋭バルクローリーなど4車両 認知度向上でシェア拡大

 富士車輌(本社・大阪市、津田弘史社長)は、3日から7日までの5日間、千葉市の幕張メッセで開かれる「第38回東京モーターショー2004」に、最新装備を搭載したLPガスバルクローリーなど4車両を出展する。LPガス業界関係で同ショーに車両を出展するのは同社が初めて。テーマを「お客さまのニーズを満足に変える車を形にします」とし、市場認知度がありPR効果が高い東京モーターショーへの出展で、特装車市場におけるシェア拡大を図る。