2004(H16)年
10月18日(月曜)
第2597号
LPG元売、題は需要開拓と価格政策
15年度決算 経常益55億円に半減

 資源エネルギー庁は12日、平成15年度のLPガス元売17社の決算概要を明らかにした。それによると、総売上高は前年度より、国内63万d、内外取引合計200d余りもの販売量が減少したことが響いて前期比2・8%減の1兆4,582億円となった。売上高経常利益率は前期より0・32ポイント下がって0・37%となり、最悪とされた12年度と同水準に戻った。

「安全継手再接続はLPG液排除後に」
KHK、注意を喚起

 高圧ガス保安協会(KHK、大角恒生会長)は6日、1日に発生した大宰府市での民生用バルクローリーにかかわる漏えい爆発・火災事故を重視し、全国LPガス卸売協会、日本LPガス連合会などの関係団体に、充填ホース離脱時の安全対策を徹底するよう文書で注意を喚起した。KHKは先月17日にも、古川市で発生したバルク事故で、充填作業中の安全対策を徹底するよう要請したばかり。

同行ルポ
女性バルクローリードライバー
若林ひろ子さん

「充填ホースもっと軽く」
バルク普及はトップクラス 窪田商店

 窪田商店(本社・甲府市、窪田良雄社長)は、顧客の大半にバルク供給する全国でもトップクラスのバルク普及事業者。2年前にバルク供給を開始して以来、バルクローリーのドライバーとして活躍する女性がいる。その1日の仕事を追った。
 若林ひろ子さんは普段は検針業務と事務をしているが、11月から3月までの繁忙期になるとローリードライバーに変身する。窪田商店では2年前からバルクを導入し、同時に1・9dローリー1台で自社配送を始めた。若林さんは充填作業者の資格を取得し、充填作業をするようになった。

出荷能力を倍増、年1万dへ
カメイ 一関ターミナルリニューアル

 カメイ(本社・仙台市、亀井文行社長)の「一関ガスターミナル」が出荷能力を倍増してリニューアルオープンした。10連の全自動充填機を備え月間最大1,200dの出荷が可能だ。岩手県南は同社にとって販売量が拡大している優良地区。新基地を岩手県南の配送拠点と位置づけ「年間1万dの配送」(平磯和夫岩手支店長)を目指していく。

拡販キャンペーンに決起
エコウィル、給湯器、GHPなど重点
東和プロパンポイント制を採用

 同社は今年、10年間続けてきた「大感謝祭セール」を止め、同キャンペーンを始めた。これは、@電気との熾烈な競争A末端価格の引き下げBガスはすごいことになっている(ガス機器の進化)――などの理由から、“ガス機器を売る”ことの重要性を再認識。加えて、顧客へのさらなるサービス向上を図るため、最新で高付加価値のガス利用システムの提案にこだわった。
 そのため、表彰には販売金額ではなく販売ポイントを採用。グループのほか、個人は男女別に表彰するが、規定価格以外で販売した場合などは、ポイント査定を厳しくするなど、適正価格で販売することで社員の意識改革や提案力アップにもつなげる方針。

元気な販売店
ガス展の巻

 今秋、東海3県でガス展開催が増えた理由の一つに地域で活躍する小さな販売店の活躍があげられる。これまで、販売店クラスでは、ガス展を開いたくても「資金がない」や「ノウハウがない」など消極的な声が多かったが、競合エネルギーとの競争激化から危機感が生まれ、「何とかしよう」を合言葉に、販売店相互で協力し合い、卸事業者のサポートを受けることで開催に踏み切った販売店も多い。

LPガス料金、クレジット決済を開始
リキッドガス、12月から

子会社で先行採用

 同社は、通信販売や情報技術分野においてクレジットカードの利用が広範囲に普及していることや、電気、都市ガスなどの公共料金でもクレジット決済を採用する例が増えていることから、同制度を導入した。需要家のガス料金支払い方法の選択肢を広げるとともに、カード会社が提供するポイントプログラムなどの各種サービスを利用できる機会を創り出すことで、需要家の利便性の向上を図る。10月からリキッドガス大阪・南部・京都の3社で先行して申し込みを受け付けたところ、12日現在で約500件の申し込みがあり、好評を得ている。

鳥取県協、地元紙でLPG特集

 鳥取県LPガス協会(山田正会長)は今年、LPガス誕生50年を記念して地元の日本海新聞に「暮らしを支えて半世紀、次代担うエネルギー」をテーマにした2nの特集を掲載した。これは電化攻勢が強まる中で「第三者の消費者代表にLPガスに対する忌たんのない意見を聞いて消費者にLPガスの良さを直接訴える」(山田会長)ことをねらいに座談会形式で掲載したもの。

600d内陸型最大規模
ガスワンパーク上尾稼働
サイサン

21世紀型LPガスセンター

 サイサン(本社・さいたま市、川本武彦社長)は9月、上尾市平方領々家639に建設した内陸型としてはわが国最大の貯蔵量を誇るLPガス充填基地「ガスワンパーク上尾」を本格稼働させた。燃料電池やコージェネによるLPガスの将来性を踏まえて、計約600dとすることで、競合エネルギーに対し競争力をつけ、安定供給を図るのが狙い。9月21日からLPガス充填作業を開始した。ガスワンパーク上尾は、建設年数の経った上尾と大宮のLPガスセンターを統廃合したもので貯蔵能力は従来の3倍となった。65・3d貯槽6基、65・0d貯槽3基を1万2,140平方bある広い敷地にバランス良く設置している。施設内事業所には、埼玉LPガス支店、お客さまサービスセンター、情報システム部、関連会社、そして三ツ輪産業、三ツ輪液化瓦斯が事務所を構えている。また、施設内に容器検査所を併設し、サイサンの物流・商流・情報など基幹部門が集結した総合センターとなっている。特集では、「ガスワンパーク上尾」を取り上げることで、サイサンがエネルギー・ボーダーレス時代の大きなうねりに挑戦していく果敢な姿をクローズアップした。