2004(H16)年
8月30日(月曜)
第2590号


高効率こんろに補助金
エネ庁が概算要求 来年度から5年間

 石油流通課によると、補助金の対象となるのは省エネ法のトップランナー基準(こんろ部、グリル部)をクリアし、なおかつ立ち消え安全装置、過熱防止装置などの安全機能を搭載した省エネ性と高い安全性能を兼ね備えた製品となる。同課は「オール電化に対してLPガス業界挙げて、いわゆるガラストップなどの高効率こんろの普及活動が活発になっている。高効率こんろは省エネ対策上も重要であり、新年度の目玉予算として要求することにした」としている。補助事業の受け付け窓口は公募によって決定する。



中東産LPG
9月積み高値取引
サウジCP上昇織り込み380〜390jに

 中東産LPガスFOB価格は9月のサウジCP(コントラクトプライス)の大幅な上昇を織り込む形で、売り手側がトン当たりプロパン・ブタンともに4〜7jのプレミアムを唱えた強気の交渉となっている。原油価格が全世界のエネルギー需要の増加や産油国の政情不安、投機資金の流入などから史上最高値を更新しつづけていることもLPガス価格に強い影響を与えており、CIF価格を始め国内流通価格の一層の上昇は避けられない情勢だ。



新日石ガス
電化対応料金ソフト提供
第4回LPGカンファレンスで

 第4回会合で新日石ガスは、会員に対して全社一丸の対電化総力戦の実践をまず提唱する。さらに「電化対応料金シミュレーションソフト」を会員に提供し、このソフトを活用しながらLPガス新料金モデルの検討を行う。会員には「家庭用省エネ診断ソフト」や一般消費者向けチラシの追加シリーズなどを提供し、料金値下げや国の省エネ強化策によって一層競争的になってきた家庭用エネルギー市場の攻守のあり方を具体的に提案する。



ミヤプロ
雇用条件55歳以上――――――――
「くらし応援隊」設立
“心の時代”の便利屋に

 ミヤプロ(本社・宇都宮市、佐藤僖芳社長)は20日、「6月18日付で55歳以上を雇用条件とした新会社『ミヤプロくらし応援隊』を設立した」と明らかにした。暮らしの総合サービス業を狙ったもので、暮らしの不便を解消する「便利屋」を目指す。佐藤社長は「“心の時代”や高齢化社会の到来などを見据え、身につけた技術や知識を生かせる職場、元気な人が元気でない人を支援する場面を提供していく」とした。



満足から感動へ ベストをつくすingグループ

「卸専業」の使命貫く

 ingコーポレーション(本社・鴻巣市、竹澤裕信社長)を中核としたingグループは「満足から感動へ」をスローガンに掲げ、オール電化攻勢、販売・料金競争など厳しい状況で“卸専業”を貫き、果敢な挑戦を続けている。直販路線を掲げる卸売業者が増えている中、ingはセミナーやミニコミ誌など販売店の支援・育成に力を入れ、販売店との信頼関係を強めている。また、販売・配送管理・集中監視などのシステム面だけでなく、“器具のing”としてガス・機器の増販を目指す「3・10・6(サン・テン・シックス)活動」にも力を注ぎ、成果を上げている。ここでは、@「理想の卸売」を目指し、販売店の支援・育成を行う社内の取り組みAingの支援・育成を受けた販売店の生の声B「器具のing」としての実績を打ち出す社内の取り組み――を取り上げ、ingグループの果敢な挑戦ぶりをクローズアップした。



需要開拓にGHP
芽室ガスホテルで冷房効果

 帯広市の西隣、芽室町は世帯数7,000、人口約1万9,000の小さな町である。過去10年の人口増加は13%。都市化の波が押し寄せてはいるが、テンポは決して速いといえない。このため、ガス需要の増加策に腐心していたのが同町に本社を置く芽室ガス(明瀬禎純社長)であるが、今年、ホテルの増設工事にあたってGHPの納入に成功し、今夏の暑さで冷房による需要開拓効果を上げている。
 明瀬社長は「ずっと思い続けていたGHPを顧客に設置してみたいという思いがようやく実現した。『切に願えば必ず遂げなり(道元)』です」と話す。



給湯器販促活性化へ
八液とタプロス 月次実績を互いに報告

 営業地域や系列も異なる八戸液化ガス(本社・八戸市、大黒裕明社長)とタプロス(本社・秋田市、木村繁社長)が社員の給湯器の営業活動を活性化させようと、お互いの給湯器の販売台数を毎月報告し合うというユニークな交流を始めた。
 給湯器の販売台数を増やし単位消費量を上げようというのは東北の販売事業者共通の課題。特に青森や秋田では灯油給湯器が圧倒的に強いため切実。この同じ悩みを持つ者同士協力し合えるところがあれば協力し合おうというのが両社接近の動機。当面は給湯器販売に向けた社員への刺激剤になればと毎月、給湯器販売台数を報告し合っている。直売部門と卸部門を合わせた給湯器の販売台数で、すでに6月と7月のデータは交換し合った。12月まで続ける予定だ。



こんな相談ありました
平成15年度事業から〈上〉
■「あまりに不当な扱い!」
 「以前から料金表を請求しても何の応答もなかった販売店から値上げの通知が来た。再度、料金表を請求したら『奥さんのところは使用量も少ないからいくらも上がらない』と言われた。不審に思い、他の販売店に連絡したところ、料金表を示しながら丁寧な応対をしてくれた。そのため店を替わろうと今の販売店に連絡すると『設備を全部外す』と言われた。入居時に設備代を負担していることを伝えると『警報器を外す』と言ってきた。不信感がふくらみ、過去の検針伝票を調べたら、通知もなしに平成13年4月に1立方bあたり40円値上げされていた。あまりに不当な扱いだ」
 相談員は「料金表は消費者に提示しなければならないし、値上げの通知もしなければならないことになっている」と話した。事情を聞くため販売店名をおしえてほしいと言うと「仕返しがあるかもしれないし、せっかく替わったばかりの今の店に対してあらぬことを言われたりしても困る」という。しかし結局、先方に絶対連絡しないことを約束すると明かしてくれた。(青森)



福井市企業局
ガスセンターをリニューアル
エコウィル、GHPメーンに

 福井県下初の本格的なガス利用システムの体感施設は、ガス発電・給湯暖冷房システム「エコウィル」と家庭用向けの3馬力GHPをメーンに、浴室暖房乾燥機や床暖房など、すべてのシステムが実際に見て、さわって、体感してもらえることが最大の特徴。企業局では「電化阻止に向け、LPガス事業者も積極的に活用してほしい」(営業開発課の安藤正則課長、杉本確冶主任)と話している。



なにわ短信
風を感じて銀輪取材

 ▽…ガス屋さんは駅から遠いところが多い。30分以上歩いたり、バスを1時間待つこともある。そんな時、頼りになるのが自転車だ。写真は記者が滋賀県長浜市で愛用しているレンタサイクルである。
 安くて移動時間が計算できるのが長所だが、まだまだレンタサイクルのある町は少ない。悪天候と坂道に弱いのも欠点である。いや、坂道に弱いのは自転車ではなく、記者の体力の問題だが……。
 でも、天気さえ良けれこれほど快適な乗り物はない。かばんと上着をカゴに放り込み、伊吹山に向かってペダルをこぐ。前回の訪問時は青々としていた田んぼが、稲穂を付け黄色味を帯び始めている。風の匂いが変わってきた。秋が近づいている。ふと小学校時代の夏休みを思い出す。取材先までのわずかな時間、自転車は子供の頃の感覚を蘇らせてくれるのだ。



50周年感謝祭「青い炎の祭典」に結集を
電化対抗モデル研究 大分県特集

 大分県LPガス協会(内田剛会長)は、電力攻勢に対抗して、業界活動を活発化させている。その一つがLPガス消費者への感謝を兼ねた「青い炎の祭典、LPガス50周年感謝祭」で、9月11、12の両日、日出町のハーモニーランドで県下のLPガス顧客42万世帯を無料で招待する。LPガスによる快適生活のPRにも力を注ぐ。また協会会員を対象に、電化に切り替わった実態調査(2回目)を実施する。物流合理化にも熱心で、卸事業者が中心になって充填所の大型統廃合を他県に先駆け実施した。大分県業界の取り組みは電化対抗の好事例といえるものだ。



構造改善セミナー

 大分県協、宮崎県協が相次いで平成16年度の構造改善セミナーを開いた。大分県では2人の女性講師を迎え、今後ヒットが期待される床暖房システムの普及促進のあり方、消費者との交流のあり方が伝授された。宮崎県では電化対抗のLPガス新料金のあり方が講師から示された。



美味しいコーヒーは焙煎で決まる
プロが推奨“ガス仕様機”

 エスプレッソコーヒーの家庭用製造機が飛ぶように売れたことは記憶に新しい。多分、大手のスペシャリティーコーヒーショップの繁盛がそれに火をつけたのだろう。
 ところが業務用、つまりバリスタが使う機械となれば状況は変わる。やはり職人の技と経験、環境が必要である。環境とは、コーヒー豆、水、機械・道具をさす。数秒間の抽出時間にバリスタの望む温度と速度と量が出ないといけない。ほんの数秒間の作業であるからこそ、そこに火の強さにムラがあってはならない。エスプレッソとなると、なおさら神経を使うところだ。
 そこで、火加減が微妙に調節でき、ムラをなくすために職人の殆どがガス仕様のマシーンを選ぶ。生豆を焙煎するための焙煎機もガス仕様が好まれる。もちろん、性能に優れた焙煎機であれば、その分、手間が省けるだろうが、やはりそこにも職人の長年の経験と五感が必要で、感を満足させるためには微妙な操作が可能な機械でなければならない。「誰が入れても美味しいコーヒー」は焙煎で決まる。



「災害に強いLPガス」を積極PR 防災特集

 今夏は新潟・福井を襲った豪雨災害、高知や徳島などで大きな被害を与えた大型台風の影響による大雨など、大規模な風水害が相次いだ。そのたびに“避難勧告”や“自主避難”といった言葉が頻繁に使われ、日本が災害列島であることをあらためて認識させられた。切迫性が高いと言われている東海地震や南海地震などもあり、今回の風水害を教訓にLPガス業界としても備えを万全にしておく必要性がある。9月1日は「防災の日」。今年も各地で大地震などを想定した防災訓練が各地で実施されるが、この機会に“災害に強いLPガス”を再確認するとともに、さらに存在感を示すために需要家の安全体制を総点検し、国民生活を守るエネルギーであることをアピールしたい。