| 2004(H16)年 | |
| 8月23日(月曜) | |
| 第2589号 | |
潜熱回収型給湯器補助事業 全国の最多利用は森燃(一関市) 三浦社長「給湯器販売は電気対策」 今年度の潜熱回収型給湯器導入補助事業の利用募集が始まって6月末までの約2カ月間、全国で最も多く利用したのは森燃(本社・一関市、三浦卓社長)であった。同社は日頃から消費者との信頼関係を大切にした営業を展開し器具販売にも積極的で、給湯器の普及率は44%に達している。三浦社長は電化対策にもつながると強調する。 ガス発電への取り組み 教育研修充実と施工・メンテ一括体制がカギ iGL15年度構造改善調査 出光ガスアンドライフ(iGL)はこのほど、15年度のエネ庁・構造改善調査事業として実施した三調査の概要を明らかにした。三調査は@ASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)方式による販売管理システムのメリット調査A小売販売店共同化の先進事例調査B分散型電源(ガス発電)の施工・メンテナンスのネットワーク調査。 LPガス販売事業者が取り組むべきEコマース展開 需要家接点2600万件生かす 小売流通業革新の道 ■特別提言 藤原 明氏 藤原明氏(日本LPガス連合会IT・エネルギーワーキング・グループ委員長、TOKAI社長)の04年度特別提言シリーズ第3回は「LPガス販売事業者が取り組むべきEコマースの事業展開」。シリーズ第1回の「エネルギー高価格時代とLPガス業界の対応」(本紙6月21日号参照)のなかでの予測通りに、原油価格急騰に伴いサウジアラビア8月CP(コントラクト・プライス=LPガスFOB価格)はトン当たりプロパンで338jに大幅上昇するなど、まさに高価格時代。原油高騰は電力や都市ガスの原料価格に与える影響は軽微だが、LPガスへの影響は極めて大きい。加えて、電力・都市ガスの料金引き下げの動きも顕在化し、オール電化など競合エネルギーとの競争は加速し激化一途にある。LPガス業界50年余の成熟・爛熟期に忍び寄る影を振り払いながら、顧客密着の利点や事業構造の改善を通じた圧倒的な競争力の維持・発揮のためにも、今こそIPセキュリティーによるホームセキュリティー事業やEコマース事業(電子商取引)に乗り出す好機と総括提言すると同時に、「LPガス販売事業の最大の挑戦はいかに革新し続けるかにある」と強調している。 信頼できる修理で給湯器販売に成果 森燃トラブルに24時間体制 補助金制度活用し潜熱回収型も販売 森燃(本社・一関市、三浦卓社長)は管工事業、水道施設工事業などの建設業許可を持ち、近隣市町村の給排水工事の指定事業者になっている。設備業務の売り上げは総売上高の3割前後を占める。このことにともなう情報収集力や技術力、信用度が給湯器販売力のベースになっている。 また、同社は消費者からの修理依頼を大切にしている。ガス、灯油にかかわらず給湯器修理は24時間体制で臨んでいる。すぐに直せないときのため、消費者にお湯を使えない不便を感じさせないように一時的に仮設する貸し付け用給湯器を8台も用意している。この「信頼できる修理体制」が、買い替えや灯油からの燃転によるガス給湯器販売を支えている。 なにわ短信 オール電化の狙い目 ▽…都市ガス転換の最前線を地盤にするLPガス販売店の社長が言う。「どうも電力会社は都市ガス転換の対象地域を狙ってオール電化の営業をかけているようだ」。何のメリットがあるのか、記者はすぐに理解できなかったが、社長の分析を聞いて納得した。 いくら世間でオール電化の関心が高いとはいえ、リフォームや機器の買い替えを全然考えていない消費者に、いきなり採用してもらうのは難しく効率が悪い。しかし、都市ガス転換の対象地域の住民は都市ガス会社の説明を聞いて、設備の買い替えを検討している。LPガスと都市ガスの料金比較で光熱費にも敏感になっている。そういう下地がある地域なら電力転換の話を聞いてもらいやすい。 そこで「都市ガスを引かずにオール電化にすれば、地面を掘ったり屋内配管工事をしなくて済む。光熱費は都市ガスよりも安くなる」とセールストークを展開するというのだ。 都市ガスと電化のダブルパンチで頭が痛いが、嘆いてばかりでは仕方ない。同店では顧客との関係強化を基本に、選択料金やサービスポイントを駆使して、選ばれるエネルギーを目指している。 ガラストップをリース展開 長浜シティガスIHに対抗 長浜シティガス(長浜市、木康之社長)はリース制度によるガラストップこんろの普及と、ハイブリッドカウンタを使用した特別料金による需要促進を展開中だ。都市ガスや電力との競合をにらんだ戦略の一環として昨年から導入した。こんろリースの狙いはIHへの対抗。灯油王国の滋賀県北部では、厨房のみガスの家庭がこんろの老朽化を機にIHに転換するケースが多い。これを未然に防ぐとともに、高級こんろのイニシアルコストのハードルを下げ、量販店の廉価品に流れていた顧客を取り戻す狙いもある。 ミストサウナ給湯器とセットで需要増 ヤマハLT福岡 ガス事業者が電化に対抗するための有効な武器として、ミストサウナが注目されている。電気にはできないガスならではの快適生活を提案でき、オールシーズンのガス需要増も見込めるためだ。このため、大手都市ガス会社を中心に動きが活発化している。熱源となるお湯はガス給湯器で賄う。ミストサウナはお湯の使用量が多く、エコキュートなどの電気温水器では湯切れの恐れがあるのがその理由だ。ミストサウナを展示しているヤマハリビングテック(本社・浜松市、新家誠社長)の福岡ショールームを見学した。 活火山 県情報誌にIH問題 ○…鹿児島県庁の県民生活課と消費生活センターが発行する生活情報誌「マイライフかごしま6月号」に、国民生活センターが発行した「くらしの危険」の一部が紹介された。ガス業界人には広く知られているが、この「くらしの危険267号」には、IHクッキングヒーターの事故や電磁波の問題が取り上げられている。第三者の立場である行政機関がIHの危険について触れたことは、この問題が看過できないことを示している。 「くらしの危険」には「天ぷら調理時に、制御装置が働かず発火した」「IHを使うと気分が悪くなる。電磁波が原因ではないか」「IHで専用鍋を使って調理すると鍋底がつるつるして滑り危険」――などの消費者の声が寄せられている。 電磁波については、「低い周波数の電磁波は人体に電流を生じさせ、高い周波数は体温上昇を伴う。ただし、現在は電磁波を浴びた人体への影響について、まだ詳しく解明されていない」との記述がある。 事故を防ぐ方法として@取り扱い説明書で使用可能な鍋を確認する。特に底が平らでない鍋は使わないA調理中はその場を離れないB余熱の際は、あらかじめ油を入れておき、様子を見ながら火加減を調節するC揚げ物の時は、付属の天ぷら鍋を使用し適性油量を守るD調理後しばらくは天板に手を触れない――などと注意している。 | |