2004(H16)年
8月16日(月曜)
第2588号

「クエストパワー」発足
ESCO事業を積極展開
ミツウロコとサンリン、日本テス
5年後年商15億円へ

 ミツウロコ(本社・東京、田島直社長)とサンリン(本社・長野県山形村、二木馨三社長)、エネルギー設備設計・管理会社の日本テス(本社・松本市、中嶋豊社長)の3社は5日、LPガス・石油製品や風力、太陽光などの新エネルギーを活用したオンサイト型熱電併給(ESCO)事業を展開するため、6月28日付で新会社、クエストパワー(本社・東京、中嶋豊社長)を設立したと発表した。ミツウロコとサンリンのエネルギー調達力、資産運用力と、日本テスの省エネシステム設計・管理ノウハウを生かし、工業用・業務用の中〜大型物件に加え、「採算性が低いとされ、開拓の進んでいない100`h未満の民生用ESCO市場を積極的に掘り起こしていく」(中嶋社長)方針だ。


2面…………………………………………………………………

LPG小売・卸を一体化へ
JAグループ事業改革を推進

 JAグループがLPガス事業改革に乗り出した。事業改革では平成17年度までに@販売所の統廃合の提案A小売・卸機能を一体化した複数の広域事業会社設立の検討B新たなJAブランド戦略の策定――を進め、18年度以降には新事業体制へ本格的に移行する計画である。
 JAグループは販売所数約1,800、LPガス消費者約314万戸(02年シェア13.5%)、LPガス取扱量58万7,000d(同8.4%)と事業規模で業界最大を誇るが、事業改革はエネルギー無境界時代の到来を予想し、「価格」「サービス」「保安」のいずれをとっても他のエネルギー以上のお客様満足を実現し、組合員・利用者に選ばれる事業の確立を目指して取り組んでいるもの。



3面(首都圏版)………………………………………………………

願いは「LPガスで快適生活」
新潟、仮設住宅急ピッチ

 新潟豪雨で大きな被害を受けた中之島町で、仮設住宅にLPガスを供給する工事が7日から始まった。中之島町にはみずほ団地地区に単身用(19.8平方b、1DK)が77戸、2〜3人用(29.7平方b、2DK)が31戸、4〜5人用(39.6平方b、3K)が26戸の計65戸が建設される。
 仮設住宅へのLPガスの供給方法などが最終決定したのが5日で、県によるガス設備の立ち入り検査が10日、入居が11日とスケジュールがタイトなことから、被災地域の販売事業者は休日を返上しての作業となった。



岡谷酸素、7月のバルク需要
昨冬のピークに肉迫
酷暑で空調需要が急増

 岡谷酸素(本社・岡谷市、野口行敏社長)はバルク物件の増大に並行し、毎年冬と夏にピークが訪れるW字型需要曲線を拡大しながら供給を増やしているが、今夏は早くも7月のバルク配送量が昨冬ピーク(1月)の1,363dに迫る1,337dに到達。猛暑続きの8月は、1月の記録を塗り替えそうな勢いだ。
 同社のバルク物件は7月末時点で受託分を含めて長野県内に1,300件(1,404基)あり、その約半数をGHP設置物件が占める。7月の需要が好調だったのは、1月より物件数が12%増えたせいもあるが、「酷暑でGHPがフル稼働したのが最大の要因」(営業本部)。9台あるローリーも高回転で稼働し、1台あたりの配送量は月間149dに上った。


4面(北海道版)…………………………………………

池見石油店
昆布乾燥システム開発
遠赤と温水暖房生かす

 函館市の池見石油店(石塚與喜雄社長)では3年前から自社の実験棟でLPガス仕様の昆布乾燥システムの試行錯誤を重ね、従来型の持つ問題点を一掃する新乾燥システムの開発に努めてきた。このほど、遠赤外線とノーリツ函館営業所の参画による石油温水暖房用熱源機を採用した新システムをまず完成し、2軒の昆布加工場に納入して好評を得ている、と言う。


4面(東北版)………………………………………………

“ラッセラー”と威勢良く
東北石油ガス
今年もねぶたに参加

 東北石油ガス(本社・青森市、大塚茂樹社長)が青森の一大イベント、青森ねぶた祭り(2〜7日)に今年も参加。そろいの衣装を着て、威勢のいいラッセラーのかけ声とともに真夏の暑い夜に跳ねた。一般市民や企業らによる「私たちのねぶた」のグループに加わって参加した。平成8年から参加している。
 ねぶた人形を先導するように、容器配送車をかたどった山車と50`容器の張り子を被った社員も元気に跳ね回った。張り子を被った社員が容器をくるくる回転させる仕掛けを披露すると、沿道の見物客から盛んに拍手が沸き起こっていた。


5面(中部版)…………………………………………………

業務用、工業用値上げ
愛知県三河地区キロ10円を要請

 サウジCPが夏場になっても高騰し、CIF価格も連動して値上がりしていることから、愛知県三河地区では、利益幅の薄い業務用・工業用のLPガス価格の是正に積極的に取り組みだした。CP連動契約の供給先は、ほとんど値上げを受け入れたようだが、それ以外の供給先については「プロパン、ブタンとも1`あたり10円値上げの応戦状態」(地元事業者)という。多くの事業者は、値上げ受け入れの供給先を目標8割にしているようだが、実績は5〜6割程度に止まっているようだ。
 同地区は、主力の自動車産業が好調で、全国的にみても成長力が高い。一部の工場ではフル活動状態が続くが、「(工場が)好調であっても、コスト削減からエネルギーの値上げなど聞く耳も持たない、といった様子」として、交渉に当たるLPガス各社は値上げ実現には苦慮しているもよう。


6面……………………………………………………

全国縦断 構造改善「紙上セミナー」
15年度調査事業/ポイント解説

 資源エネルギー庁は平成15年度から5カ年計画で「石油ガス販売事業者構造改善支援事業」をスタートさせた。骨子は▽各種セミナー事業▽構造改善調査事業▽充填所統廃合支援事業――など。今後、予想されるエネルギー間競争の激化やLPガス販売事業者の経営基盤の脆弱性などを背景に、早急に構造改善を促進し、強固な供給基盤の確立を目指した。とくに構造改善調査事業は、消費者ニーズ・マーケティング調査、充填・配送の共同化、効率的な流通・販売形態の構築、コージェネ機器などの事例を想定。常に変化する消費者ニーズや市場環境を的確にとらえる新しい販売形態や新たな事業化の可能性を追求する調査として期待を集めた。初年度の15年度は38件が採択され、ITからGHP・コージェネ、地震災害まで今日的に関心の高いテーマが多く、「流通」や「保安」といった普遍的なテーマを扱うケースも目立った。15年度の構造改善事業調査から主な事例を、各社の協力を得て“紙上セミナー”として掲載した。


7面(近畿・四国版)…………………………………………

なにわ短信
保安の重要性、再認識を

 ▽…9日発生した関西電力の美浜原発3号機の蒸気噴出事故は4人の死者を出す痛ましいものとなった。日本の原発では史上最悪の事故である。二次冷却配管の破損個所は検査対象だったが見落とされ、運転開始以来、30年近く詳細な検査をしていなかったという。
 同社では今春、火力発電所の定期検査で虚偽報告問題があったばかり。改善策として品質システムの再構築や法令順守の強化を唱えていた矢先の事故であり、社会から厳しい目を向けられることは避けられないだろう。昨年の東電のトラブル隠しに続き、原子力への信頼を損ねる事態となった。
 停止した3号機の電力量は全体の約3%。電力会社は通常予備電力を備えているため、差し当たり供給に問題はないとされる。
 だが、同時期に製造された原発を停止せざるを得なくなれば、ピーク時に供給不安が生じる可能性がある。
 会社の規模は違っても、危険物を扱うのはLPガス業界も同じ。今回の事故を他山の石とし、保安確保の重要性を認識する機会としたい。


9面(広島版)…………………………………………………

エコウィル
200台超す勢い
中国5県 資格者養成も急ピッチ

 中国地区では家庭用1`hコージェネレーションシステム「エコウィル」の出荷が好調で、メーカー推定によると、5県下で200台を超す勢いになっている。同時に大手卸やグループで電気工事士の養成にも力を入れ、受け入れ体制を強化している。
 エコウィルは天然ガス仕様が先行しただけに中国地区でも天然ガス仕様が実績の上では群を抜いている。昨年11月から販売を開始した広島ガスはすでに110台(取り付け完了45台、受注残65台)、鳥取ガスや岡山ガスなどでも20〜30台の実績となっている。


9面(九州版)……………………………………………

50周年感謝祭
42万世帯を無料招待
大分県協9月実施 「炎の文化」伝える

 大分県LPガス協会(内田剛会長)は、9月11、12の両日、日出町のハーモニーランドで「青い炎の祭典、LPガス50周年感謝祭」を行う。県下のLPガス顧客42万世帯を無料で招待する一大イベントで、大抽選会、LPガスクイズラリーなどを楽しんでもらうほか、LPガスによる快適生活の提案ができるようガスクッキングコーナーや最新ガス器具の展示コーナーなどを設ける。「若い人に炎の文化を伝える」(内田会長)ことも目的にしている。