2004(H16)年8月9日(月曜)第2587号
日本瓦斯、「天然ガス・マル簡」開始へ
来年4月千葉県の3団地で

 日本瓦斯(本社・東京、資本金50億円、後藤正雄社長)は7月30日、現在、簡易ガス方式で供給している千葉県我孫子市のあらき野団地(許可地点数1,808地点、調定数1,525)、布佐団地(同183地点、同150)、布佐酉町団地(同371地点、同188)の3団地を供給区域とする天然ガスによる一般ガス事業(いわゆる「天然ガス・マル簡」事業)の許可申請を関東経済産業局に行い、受理された。局側も同日、許可申請の受理を発表した。天然ガス・マル簡は天然ガス利用の拡大、都市ガス市場の規制緩和などを目的とし、今年4月に施行された改正ガス事業法の目玉の一つ。LPガス事業を主体とするガス会社による別会社方式でない一般ガス事業への参入は全国初となる。【3面に関連記事】
分散型発電事業会社を設立
カマタ、ミツウロコ、サンワ、一高たかはし
共同でLPG開拓

 エネアージ(英文名=ENEURGE)は「新エネルギーにおける先進的事業活動」を意味する商号で、当面、つくば市での実証運転を通じて燃料電池、LPガスなどの普及啓発に取り組むとともに、燃料電池コージェネに関する運転・保守のノウハウを積み上げ、並行して出資各社が各地でユーザーを開拓する。さらに新会社は今後、風力や太陽光発電事業、ESCO(新エネルギー・省エネルギー対策調査やコンサルティング業務)にも進出する。
 4社は4日、東京・大手町の経団連会館で共同会見を行い、新事業の趣旨説明を行ったが、この中でミツウロコの松木専務は「LPガス業界は厨房、給湯分野とともに成長してきたが、これからの思いは分散型発電という新領域の開拓である。業界に活力を与える意味からもこれを起爆剤にして各地でLPガス分散型発電事業を実践につなげていきたい」と強調した。
8月CP、反転値上がり
プロパン338j、ブタン343j

 サウジアラムコ(サウジアラビア国営石油会社)は7月31日、輸入各社に8月のCP(コントラクトプライス)を通知してきた。それによると、原油高の影響を受けてプロパンはトンあたり前月比23j高の338j、ブタンは同8j高の343jで、ともに値上がりに転じた。8月CPとしては1980年以来の高値更新となる。
 原因は米国の在庫減少、イラクでのテロ続発に加え、ロシア企業の経営不振による需給逼迫感が折り重なったもの。欧米市場でも製品需給の逼迫感があり価格が上昇した。WTI原油の9月先物取引物は7月30日にバレル43jを超して最高値を更新し、7月のアラビアンライト(AL)原油も1〜30日平均でバレル35.816jと前月平均1.26jの上昇。
第一エネ設備、電化攻勢に先制
チラシでIHも紹介
本命はもちろんガラストップ販促

 第一エネルギー設備(本社・越谷市、中内俊三社長)は電化攻勢に先制攻撃をかける狙いで、7月21日から販促キャンペーン「冷やしセール&リフォーム処分市」を開始した。チラシ約1万6,000枚配布し、IHヒーターに対する消費者志向を把握する一方で、本命であるガラストップこんろを販促する。
「福島Gライン研」始動
対電化を実践 都市ガス、保安機関も参加

 福島Gラインは、県北支部の4月の理事会で「LPガスや都市ガスにこだわらず、ガス体エネルギーが一致して電化対策を考える時期だ」などの意見が出たことをきっかけに立ち上げ準備がスタート。5月27日の支部総会の際、会員に設立趣旨を説明し参加を募っていた。
需要開拓、電化対抗、切り札は「GHP三兄弟」
全国縦断フォーラム7会場800人動員

 GHPコンソーシアム(山田清實理事長)は、6月18日の大阪会場を皮切りに、札幌、名古屋、仙台、広島、福岡、東京と全国七会場で延べ800人動員の「全国縦断GHP・マイクロコージェネフォーラムシリーズ」(石油化学新聞社/プロパン・ブタンニュース後援)を展開した。今年の統一テーマは「電化対抗の切り札はGHP・マイクロコージェネ」(副題はガスエネルギーの複合サービスの推進)。今年は環境新時代のなか、分散型エネルギー、分散型電源としてますます大きな期待を担うLPガスの役割発揮を主眼に、GHPに加えてマイクロコージェネの普及実践戦略に照準をあてたのがポイント。また、都市ガス業界とLPガス業界が共演したのも大きな特徴であった。全国七会場でコーディネーターを務めた山岸一夫・GHPコンソーシアム技術顧問は「『GHP、マイクロコージェネ、エコウィル』はGHP三兄弟。需要開拓や電気対抗の大きな武器となる」などと指摘し、業界一丸となった前進を呼びかけた。山岸技術顧問の総括・講評を中心に「2004全国縦断フォーラム」を振り返った。
「エネルギーサービス」、新時代を切り開く好機
GHPコンソーシアム理事長 山田清實氏

 GHPは本格発売開始後17年余になるが、着実に伸び足を早めてきた。累計普及状況は今年3月末時点でLPガス仕様と都市ガス仕様を合わせて約55万台、馬力数ベースでは600万馬力を突破した。
 ガス業界全体の需要創出と同時に、電源換算で原発100万`hクラス五基分相当の電力負荷平準化に寄与するなど、環境対応型のガス新時代を大きく切り開いてきたといえる。LPガスだけに換算すれば、全国で約60万d強の新規空調需要を生み出していることになる。
 今回の焦点でもあるマイクロコージェネは、GHPのエンジンや設計ノウハウをベースに開発されたガス業界期待のシステムである。5〜10`hなど業務クラスに加えて、家庭用対象の1`hエコウィルの市場投入もあり、オンサイトの小型コージェネ市場はいま最も注目されているといえる。
 ガスエネルギー利用の効率化と地球環境保全に貢献するマイクロコージェネの重要性はますます高まってきている。マイクロコージェネという最先端の利用技術・システムをLPガス業界が持つことは誠に大きな強み発揮であり、オール電化攻勢に打ち勝つ戦略・武器の役目も担う。
 加えて、マイクロコージェネの普及促進には国や経済産業省・資源エネルギー庁の理解と後方支援を得た補助金制度の適用もある。また、資源エネルギー庁の肝入りでいま盛んに全国で展開されているLPガス販売事業の構造改善の推進にとっても、大きな意味合い・メリットを持つといえる。
 LPガス業界は、いまこそエネルギーサービス新時代を大きく切り開いていく好機にあると考える。(伊藤忠エネクス社長)
2年で全顧客訪問
上原成商事「まごころ点検」

 上原成商事(本社・京都市、上原大作社長)は今期から、「まごころ点検」の強化による顧客との密着戦略を進めている。接点活動を増やし、もう一度顔の見える関係を構築して、競合エネルギー対策や顧客防衛に役立てる。
 同社は従来、まごころ点検の名称で機器の無料点検を継続してきた。ここへ来て電力攻勢などから顧客を守るため、改めて活動に力を注いでいる。目標は1年間で半数、2年間で全顧客を回ることだ。3年目以降も同じサイクルで継続する考え。保安センターに委託する点検・調査と交互にして、年に1度は客先を訪問する体制とする。
男性店主も楽しさ体感
ヤマサン会、初の料理教室開く

 山陰地区でもIHヒーターを目玉にした電化攻勢は強まっており、関係筋によると、新築一戸建ての7割がオール電化といわれ、既築でも年間1%程度がオール電化に転換しているという。この電化を防ぐにはまず、オール電化の入り口であるこんろの転換を防ぐため、ガス事業にかかわる全員が「ガス料理の本当の美味しさ」「楽しさ」を体感し、お客に勧めることが肝要、との発想から料理教室の開催となった。 
集中監視利用、新サービス9月開始
ダイプロ高齢者向けと自動消火

 ダイプロ(本社・大分市、山田耕司社長)は、9月から集中監視システムを利用した新サービスを始める。ひとつは高齢者向けサービスで、ガス使用状況で健康に暮らしているかどうかを判断し、離れて暮らす家族などに知らせるもの。もうひとつは集中監視と消火装置、ガスメーター遮断などを組み合わせた住宅用自動消火システム。同社は今年3月に大分県で初の認定販売事業者となったことを機にこれら新サービスを追加、他事業者との差別化を図る。