2004(H16)年8月2日(月曜)第2586号
01・需要の切り札 GHP三兄弟 確認
全国縦断フォーラム閉幕−7会場に800人動員
需要創造の切り札 “GHP三兄弟”確認
 GHPコンソーシアム(山田清實理事長)が全国7会場で展開した「2004全国縦断GHP・マイクロコージェネフォーラム」(石油化学新聞社/プロパン・ブタンニュース後援)が7月27日の東京会場で盛況裏のうちに幕を閉じた。6月18日の大阪を皮切りにしたフォーラムは、全国7会場で延べ800人を動員した。各会場とも熱気に溢れ文字通り熱い夏を象徴、業界にとって意義あるフォーラムとなった。全会場でエネルギー間競争が激化するなかで今後のガス需要を創造する切り札はGHP、マイクロコージェネ、エコウィルの■GHP三兄弟■を確認した。
02・GHP第3四半期
GHP
前年比3.4%増と回復基調
第3四半期出荷台数 大型機種が善戦
 GHPコンソーシアム(山田清實理事長)は7月23日までに、04冷凍年度第3四半期(04年4〜6月)のGHP出荷実績を明らかにした。ガス種別ではLPガス仕様3,180台(前年同期比102.3%)、都市ガス仕様6,332台(同104.0%)となりLPガス、都市ガス仕様とも善戦した。合計出荷台数は9,512台(同103.4%)。
03・投資や運用標準化 指標づくりを提言
投資や運用標準化
指標づくりを提言
全卸協、情報技術活用で
 全国LPガス卸売協会はこのほど、経済産業省の十五年度石油製品需給適正化事業で行った「LPガス業界の情報技術活用の実態調査」報告書をまとめた。
 全卸協はこの中で、「過大な初期投資を抑制するには、仕様、機能、価格に対する情報を整理し、投資額の妥当性を判断する指標の共有化」や「事業者間のデータ交換や新システムへの移行を簡便にする汎用性のあるシステムの開発」が重要であると指摘。
 今後、容器メーカーや充填・配送システムメーカーなどの協力を得つつ、運用システムの標準化を目指した共通フォーマットの作成など、システムの汎用性に関する指標づくりに取り組んでいく方針を固めた。
04・シナネン 鈴木弘行常務
中計「プラン236」
シナネン 鈴木弘行常務に聞く
 シナネン(本社・東京、服部輝雄社長)が、年商1,800億円規模の9割を占める石油、ガス部門を統合する営業本部制に移行して1年。4月に鈴木弘行常務・営業本部長が責任者に就き、エネルギー大競争時代に向けた中期経営計画「プラン236」を加速させている。そこで、鈴木常務に現況と今後の展望、取り組みを聞いた。この中で鈴木常務が強調したのは、コスト競争力の強化だ。自社、販売店が一体になった販売体質の強靭化が最重要課題であり、それをいかに早く進められるかが浮沈を分けると指摘し、プラン236の前倒しに意欲を見せた。
05・電力対抗と需要開拓(首都圏)
電力対抗と需要開拓
主役はGHPとGEC
全国縦断フォーラム 東京会場に200人
 GHPコンソーシアム(山田清實理事長)は7月27日、東京・港区の東京ガス本社ビルで「2004全国縦断GHP・マイクロコージェネフォーラム」(石油化学新聞社/プロパン・ブタンニュース後援)を開いた。テーマは「電化対抗のエースはガス発電住宅・業務用マイクロコージェネ」。6月18日の大阪会場を皮切りに全国七会場で展開してきたフォーラムの最終日で、200人以上が詰め掛け熱気あふれる研鑚の場となった。
06・エコアイスをGHPに転換(北海道)
エコアイスをGHPに転換
武岡商店 粘りの営業実る
 「電化攻勢が強まる中、管内の人口約九万人と限定された市場でLPG発展の道を模索していた」という武岡商店では二月にドラッグストアに対する営業を開始し、GHP採用とトータルコストの低減効果を説明した。しかし、行動が遅かったこととすでに基本設計も完了していたことから、ドラッグストア側からの回答は「現時点でGHPを採用する考えはない」との丁重なことわりだった。しかし、「ここが正念場」と奮起した武岡商店はエコアイス料金プランと、LPガス料金の比較など詳細な資料を作成し、ランニングコストでLPガスが勝るとの提案を再度行なった。
07・ハイパーバルク 東北初設置(東北)
ミツウロコ
「ハイパーバルク」東北初設置
仙台市のマンションに
 ハイパーバルクは富士工器とミツウロコの共同開発製品。販売は富士工器で、今年初めに発売開始した。
 980キログラムの縦型バルクで、コイル状の保温用熱交換機を内蔵している。保温用熱源機はノーリツが床暖房の熱源機をもとに開発した。外気温マイナス10度Cで毎時30キログラムのLPガスを連続発生でき、寒冷地に適している。
 設置したマンションは築20年弱の食事付きマンションで、1〜2階にはテナントが入り、3階は食堂、4〜9階が住居部分となっている。都市ガスの供給を受けていたが、住居部分のセントラル給湯設備を更新することになり、これを機会にここだけ都市ガスからLPガスに切り替えた。
08・マルエイ 初の保安コンテスト(中部)マルエイ 初の保安コンテスト
能力向上へ11人が競う
 マルエイ(本社・岐阜市、澤田栄一社長)は7月21、22の両日、岐阜市のマルエイガスサービス本社で「16年度 保安スキルアップコンテスト」を開いた。社員のスキルアップを図ることで、各地区で異なる顧客対応を統一化することが狙い。
 各地区の予選を勝ち抜いた11人が、40の保安項目に挑み、上位3人を後日表彰する。社員のスキルアップを目的としたコンテストは初めて。
09・福井豪雨関連情報(中部)福井豪雨関連情報
LPガス 仮設住宅に使用せず
 福井豪雨の影響により、家が全半壊した被災地住民のための応急仮設住宅の建設が、7月25日から福井県美山町で始まったが、同町蔵作に建設する第1期の4戸について、福井県は「LPガスは使用しない」とした。
 仮設住宅は、平成7年1月に起きた阪神・淡路大震災を機に注目。災害に強いことやどこでも持ち運びができる利便性が評価され、同住宅にはLPガスが採用され、復旧までの間、被災者の心のケアに大いに役立った。
 しかし、今回の福井県の決定には、業界内では怒りの声よりも疑問の声が多く聞かれる。「LPガスを使用しない」以外のことについて、県の担当窓口は回答しておらず、給湯、厨房とも電気の可能性が高い。仮設住宅は今後、福井市や鯖江市などでも建設が予定されており、今回の県の判断は、大きな波紋を呼ぶ結果となった。
10・ガス器具販売大作戦(近畿・四国)
ガス器具販売大作戦 10〜3月
兵庫県協 他エネへの転換を阻止
 兵庫県プロパンガス協会は7月22日に開いた経済委員会で、県下12支部ごとのコンペ方式でガス器具販売大作戦を展開することを決定した。
 期間は本年10月1日から来年3月31日までの6カ月間。顧客にガス床暖房、浴室暖房乾燥機やワンランク上の給湯器、あるいはガラストップこんろを設置し、使ってもらうことで他エネルギーへの転換を阻止しようというもの。
11・サブユーザー対策本格化(中国)サブユーザー対策本格化
ヤマサン会総会開く 9月に「ガスフェスタ」
 中国地区は全国に先がけてオール電化攻勢の洗礼を受けたが、その電化攻勢の先陣となって活動しているのは新築やリフォームを設計施工する工務店や設計事務所である。
 LPガス業界にとっては電化攻勢のなかでこのサブユーザー対策が最も遅れており、ウイークポイントでもあった。ヤマサン会でもこの点には留意し、名古屋市のガス機器メーカーにサブユーザーを招待して研修会を開いたが、この時に中小工務店から「是非、地元でも開いて欲しい」という声があった。
12・温水床暖、GHP成約(九州)丸三燃料
オールシーズンのガス増期待
温水床暖、GHP成約
デイケアセンター増築を機に
 丸三燃料(本社・中津市、三宮チヨ社長)はこのほど、既存顧客のデイケアセンター(中津市)の増築を機に温水式床暖房とGHP7馬力を成約した。7月20日には、約70平方メートルの増築部分に床暖を設置した。床暖部分の施工は社員2人が担当した。同社が蓄積した施工ノウハウを武器に、今後もGHPや床暖など技術力の求められる物件の掘り起こしに力を入れる。
13・電力系会社が無断撤去(九州)九州ブロック協実態調査 事故の発生も
 九州ブロックLPガス協議会(寺ア和典会長)が、九州・沖縄地区での電力会社によるLPガス設備の無断撤去の実態を調査したところ、鹿児島、熊本、沖縄で無断撤去があったことがわかった。中にはガス爆発につながったものや、大事には至らなかったもののガス漏れが発生した事例もあった。
 熊本では平成11年12月3日に熊本県玉東町で起こった会社員宅のガス爆発事故がLPガスからオール電化への切り替えによるものだった。この家(木造平屋)では同月1日にプロパンの使用をやめ、オール電化とした。そのときの工事が元で室内にプロパンガスが充満し、この家の長男(当時15歳)がごみを燃やすため台所でライターの着火具合を確認したところ、LPガスに引火、爆発した。長男は両手足に全治10日のやけどを負った。九州電力の下請け会社が無断撤去を行った。
14・松下電器 ASP集中監視を発表
インターネット活用 センター運営費を削減
 松下電器産業・松下ホームアプライアンス社リビングサポートシステム事業部は7月21日、インターネット網を活用し監視センター運営費用を大幅に削減したLPガス販売事業者向けASP集中監視新システムを発表した。
 新システムは、松下設備ネットサービスが運営会社で、LPG販売事業者と消費者間のデータのやり取りを、松下LPGネットワークセンターを介して行うためセンター運営費用が大幅に削減できる。従来の自社センターだと専用機器と専用ソフトなどで500万〜1,500万円必要だったが、新システムでは汎用機器とインターネットの環境を整えるだけだから30万円程度の投資で済む。