(2002/06/24 プロパン・ブタンニュース)
LPガス自動車普及促進協議会 事務局長
吉田 稔氏
お次は改造車と重量車だ
  今月1、2日に東京・代々木公園で開かれた「エコカーワールド(低公害車フェア)2002」(環境省・東京都・公害健康被害補償予防協会共催)にLP自動車普及促進協議会(会長・中原晟介日本LPガス協会会長)は19台のLPG車を展示した。展示車両はグリーン購入法の対象になったLPG車をはじめ日本初のLPGバス「トヨタコースター」やトヨタ i s t など最新のLPG車が展示された。トラックではヤマト運輸、日本通運、生協などが現在使用中の車両を出展してLPG車が低公害車四兄弟(電気自動車、メタノール自動車、天然ガス自動車=CNG車、ハイブリッド自動車)に伍して遜色がないばかりか、利用の歴史も長く、インフラも整ってその普及が実際的なことを誇示した。
 LPG車はグリーン購入法の見直しで政府調達の指定品目となり、環境に優しいクリーンな自動車として位置付けられた。この時機にLPガス自動車普及促進協議会の事務局長・吉田稔さんにLPG車は、どこまできたか、そしていま何が問題かを聞いた。
 LPG車の登録台数が上昇
 何カ月か前に全国LPガススタンド協会の常任理事の柳也主男さんがこの欄でLPG車を「遅れて来た四番バッター」と言っていました。まことに適切な表現だと感心したものです。さすが四番バッター、ピッチャーのきびしい投球にもかかわらず、このところよくヒットを打ちます。LPG車の登録台数の推移を見ると、平成2年の31万9691台をピークに逐年減少し続け、平成13年には28万5816台になった(各年9月末の数字)。だが、13年をボトムに上昇に転じた。今年1月には28万6072台、同2月は前月比671台増、3月は前月比374台増で28万7117台になった。どの分野が増加したか。タクシーと営業用貨物車である。
 グリーン法、LPG車に高い障壁
 環境省のグリーン購入法の政府調達品目にLPG車が指定されたことでLPG車も低公害車四兄弟(電気自動車、メタノール自動車、天然ガス自動車=CNG自動車、ハイブリッド自動車)と肩を並べて普及に拍車がかかると喜んでいるんですが、と水をむけたら、吉田さんは一歩前進したが、多くの条件が付されていて、今回指定されたLPG車はトヨタ自動車の「クラウンセダンLPG」と「コンフォートセダンLPG」の二車種だけだ。それは「低排出ガス車」で「燃費基準」を達成した車両という規定に対応できたのはこの二車種だったわけだ。また、「改造車」と「トラック・バス等の重量車」も今回は認定対象にならなかった。
 四兄弟には手厚い保護
 低公害車四兄弟は、低排出ガス認定車である必要はなく、燃費基準もない。また、自動車メーカーが量産して型式を取得した車両でも、改造車のどちらでもグリーン購入法の対象車になるが、LPG車の改造車は対象にならなかった。さらに車両総重量3.5トン以上(積載で2トンクラス以上のトラック、バスなど)の低公害車も、グリーン購入法の対象となったが、LPG車は駄目。そしてLPG車の改造車は対象外になった。
 LPガス業界は「改造車の認定」「重量車の対象化」を認定車種として認めてもらうように進めていくべきだ、と吉田さんは強調した。
 低公害車四兄弟は国の補助金、税制優遇など手厚い保護がある。一例を改造費で比べてみると、天然ガス自動車は、2.5トンで車両費3百万円、改造費122万円と高価だが、改造費は全額補助される。LPG車のLPi車の改造費は50万円だが、この補助金は25万円といった具合である。
 表1は「LPGと石油代替エネルギーの比較」、表2は「国税、地方税のLPG車と低公害四兄弟」の比較である。

 プロパン・ブタンニュース2002/6/24 ナリケンがゆく ウェーブ・風  話題と肖像画


最初のページに戻る