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(2004/12/6プロパン・ブタンニュース)

第一エネルギー設備副社長 
寺本 誠氏
1,000キログラム時代、売り方次第

 第一エネルギー設備の寺本誠副社長は、平成9年9月に同社に迎えられ、取締役副社長に就任した。同社はポラスグループの一員で、ポラスグループには埼玉県越谷市を中心に分譲住宅・注文住宅・不動産流通賃貸管理・リフォーム・LPガス販売・飲食業など19社があり、その規模は社員総数1,800人、年商1,400億円、経常利益70億円(平成15年3月)である。
 第一エネルギー設備は、昭和53年設立、従業員53人、年商27億5,000万円(平成15年度)。そして平成10年にジャパンエナジーの特約店に認定された。
 寺本副社長の第一エネルギー入りは前述のように平成9年と新しいが、寺本さんのLPガス販売歴は40年と長い。昭和36年に埼玉県松伏町に関東瓦斯工業を伊柳次男さん(故人)と創業、昭和63年に関東瓦斯工業はニチメンエネルギーになったが、寺本さんは平成7年までニチメンエネルギーの専務としてLPガス販売に辣腕(らつわん)を振るった。
 平成9年、寺本さんが第一エネルギー設備入りしてからの同社の伸張ぶりは目を見張るものがある。もちろん、寺本さん独りの力によるものではない。ポラスグループの中心的存在・中央住宅会社の今年10月21日〜11月20日1カ月間の分譲および注文住宅数が越谷市を中心に一部千葉県を含む地域で261棟もあった。この月だけが多いのではない。毎月概ね200棟は下らないという。
 このような環境で寺本さんの「収益力アップに向けて消費量1,000`c住宅の普及策」が奏功しているのである。昨年度JOMOプロパン増販キャンペーンで第一エネルギー設備はゴールド賞を受賞した。そして今年10月13日、JOMOLPガス経営研究会で寺本さんはこの趣旨の講演をして好評だった。
 サイサンの川本宜彦会長、根本石油の根本一彌社長、そして第一エネルギー設備の寺本誠副社長を「JOMOの三本(さんもと)」というそうだ。川本会長、根本社長は既に本欄に登場ねがった。これで三本がそろったことになる。
メーター2個で厨房用と暖房用料金を区分
 LPガスの将来を悲観的に見る人が多い。決してそんなことはない。売り方次第でLPガスはいくらでも売れる。寺本さんは実例を示して説明した。ポラスグループの流山の分譲住宅、そこは都市ガスが本支管とも配管したところである。そこに全部LPガスでオールガス化住宅(オンドルハウス)10軒、実験的にオール電化住宅10軒、残りは全部LPガスによる床暖房付きを実施した。
 ガス料金は、厨房料金と暖房料金を区別して、メーターを2つ付けた。ハイブリッドメーターはお客さんに分かりにくい。厨房料金は、従来通り基本料金1,500円、従量料金320円、暖房用料金は、基本料金は厨房用で貰っているので従量料金のみである。立方200〜250円。1万円を最高として、それ以上いくら消費しても徴収しない。結果的には9,000円台が殆どで超過した家は1軒だけだった。これをWMS(ダブル・メーターシステム)と言って普及に拍車をかけている。そのさい都市ガス料金を上回らない。
 WMSのもう1つのターゲットは灯油である。灯油が18リッター1,000円前後ならばLPガスは価額的にも太刀打ちできる。しかし、ガス価格よりも利便性である。灯油タンクは、いつ空になるか分からない、また立ち上がりに臭くないなどが評価されている。
 灯油ターゲットの営業は、ファンヒーターのチラシに書き込んで始めたばかりだが、既に手ごたえがあり、かなりいけそうだと言う。そしてLPガスと灯油の価額換算表を示した(付表参照)。
 第一エネルギー設備は昭和53年、8号外釜の販売を開始した。その後、平成3年から24号給湯器を導入して平成15年には、ほぼ100%24号給湯器を設置した。24号を使用している一戸建て住宅の1軒あたりの平均使用量は月間約40`cである。また、平成10年からグループが建てる住宅に床暖房使用の営業を積極的に行った。床暖の工法を改善してコストダウンして8畳20万円にした。かくて床暖の設置件数は平成10年から15年で13倍に増加、累計設置件数1,678件となり、床暖を使用している家庭は、年間LPガス使用量が600`cを超えた。また、大型分譲にガスエアコン・浴室乾燥機の無償貸し出しを行って消費量アップを図った。
 第一エネルギー設備はこのようにして年間6,500dのLPガスを1万6,000軒のお得意に供給しているが、これを単純に平均すると406`cだが、1万6,000軒にはアパートの学生など少量消費者もある。これを除いた1万2,000軒の一般家庭用消費者の平均は541`cである。全国平均200`cに比べて第一エネルギー設備は家庭用消費量1,000`cに向かって着々と歩を進めている。もって範とすべきである。

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