2004(H16)年
10月4日(月曜)
第2595号
10月サウジCP
P398j、B403jと最高値更新
原油高と連動国内価格値上げへ

 サウジアラムコ(サウジアラビア国営石油会社)は9月28日、輸入各社に10月のCP(コントラクトプライス=LPガスFOB価格)を通知してきた。それによると、トン当たりプロパンは前月比15j高の398j、ブタンは同20j高の403jと最高値を更新した。サウジのLPガスFOB価格の400j超えは史上初めて。LPガスFOB価格の続騰によって、輸入・元売各社の仕切り価格、また卸売価格の一段の値上がりは避けられず、オートガス価格の値上げに続いて、価格振幅の小さかった小売価格の暫定的な値上げ改定の動きが業務用から強まっており、国内市況への波及も大きくなってきた。

「大陽日酸」スタート

 日本酸素と大陽東洋酸素は1日に合併し、新会社・大陽日酸(本社・東京、於■好之輔会長、田口博社長)として新たな第一歩を踏み出した。大陽日酸は両社の営業・生産・物流ネットワークや技術力などの経営資源を統合し、「産業ガスのプロフェッショナル集団として、21世紀の日本とアジアの産業ガス業界でリーディングカンパニーを目指す」(田口社長)方針。

原油価格情勢
強い不満を表明
サウジとイラン

 アジアエネルギーフォーラム2004に出席するため来日したサウジアラビアとイランの代表は9月28日、東京・大手町の経団連ホールで開かれた同フォーラムの席上、高騰を続ける原油価格の現状について「生産者の見解を反映していない」などと指摘し強い不満を表明した。
 サウジアラビア石油鉱物資源省のアハマッド・アル・ガムディ石油相顧問は「グローバルな成長に影響を及ぼす油価には反対である。現在の原油相場は供給不安から生じているものでなく、OPEC(石油輸出国機構)もコントロールできない動きである。サウジアラビアは増産によって、油価が高騰しないように努力してきたが、政治的思惑による信頼を得ない現状は誤っている」と強調した。

サイサン
GasOneショップ相次ぎ誕生
「お客さま第一主義」より鮮明に

 サイサン(本社・さいたま市、川本武彦社長)は9月22日、東京都港区のホテルオークラ東京で「Gas Oneサミット2004」を開いた。昨年まで隔年で開いていた販売店会「連合サイサン会」(池田隆三会長)を今年からビジネスミーティング主体に改めた。同社の基本方針として「卸売販売の更なる強化」を打ち出し、「販売店とともにお客さま第一主義」を推進する方針を鮮明にした。

首相公邸に1`hFC
東京ガス

 東京ガスは今年度中にも、1`h級の家庭用燃料電池コージェネシステムを世界に先駆けて市販する計画だが、このほど商用第1号機を総理新公邸に設置することを明らかにした。今後、関係方面と具体的な詰めを行うとともに、詳細な契約条件について協議していく。
 機器は、2003年から商品化に向けて共同開発をしてきた松下電器産業社製と荏原バラード社製の燃料電池システムを1台づつ納入する予定。
 同社では「今後も家庭用燃料電池システムの研究開発と事業化を通じて、生活者の快適な暮らしづくりと地球環境問題の改善に積極的に貢献していく」としている。

「電化WA御免」作成 徳島県協

 徳島県LPガス協会(宮ア武会長)はこのほど、電化対策の集大成となるマニュアル「電化WA御免!」(多色刷り・A4判、64n)を作成した。電化住宅の基礎知識から電化住宅消費者へのアンケート結果分析、ガラストップビルトインこんろ成功事例まで多角的、客観的な視点で構成。“電化対策の決定版”といえる内容に仕上がった。

なにわ短信
買わない客に学ぶ

 ▽…展示会シーズン、集客率アップはLPガス販売事業者の悩みの種である。こんな時こそ普段の付き合いが物を言うのだが、「とりあえず即効性のある手段を」と来場者プレゼントを用意する。ところがどっこい、プレゼントだけもらって帰る客の多さに、事業者の悩みはますます深まる。
 そんな客を憎たらしく思うのは無理もないが、ぐっとこらえて顧客の立場で考えてみよう。事業者からみれば「何も買わない、つまらない客」。だが、その客は事業者のことを「何も買う物がない、つまらない店」と思っているかも。ひょっとすると「営業マンがしきりに誘うから日曜日にわざわざ出てきたのに、つまらない展示会だ。来年は来るのをやめよう」と思っているかも知れない。
 中にはプレゼントだけが目当ての客もいるだろう。でも多くは何らかの期待を持って来場し、何らかの理由で購入を見送ったに違いない。その理由は何か。もちろん、一人ひとり違うだろうから、1つの正解があるわけではない。だが、その理由を探し続けることが、展示会を成功させる第1歩ではないだろうか。

中国路
 ☆ガスFHの販売が原点

 中国地区でも10月の声をきくとさすがに秋らしさを感じるようになった。需要期を控えて各地で「秋の商戦たけなわ」といったところである。そのなかでこのところガスファンヒーター(FH)の商品価値を見直す動きが顕著となっている。広島県下ではJAグループ有志が共同キャンペーンを展開したり、展示会でも最近、必ずといっていいほど展示実演しているところが多い。
 日商LPガス広島支店(吉田幸人支店長)は先頃、ガスFH販売研修会を開いた。グループ販売店から10社、23人が参加し、講師として大阪ガスと契約している店頭販売員の木村恵一氏が「ガスFHトップセールスマンに学ぶ」をテーマに講演などをしたが、最後はロールプレイングが行われた。そのひとこまを紹介すると「ガスFHは高くつきそうですね」「ガスFHはタールがつかないし、石油ストーブなどと比較して耐久性に優れ寿命も長い。価格も通常ガス料金より最大50%安くした特別ガス料金を設定しており、灯油と変らない光熱費ですむ」「ガスは怖い」「石油は灯油の買い出し、給油、保管までしなくてはいけないが、ガスは接続さへすればすぐ使えるし安全装置が働いて24時間安全を守ってくれる。しかも、燃料切れもない」「温風がでるので嫌」「確かに直接顔に当たると嫌ですよね。しかし、ガスFHはエアコンと同じシロッコファンを使っているので部屋の隅に置いていても部屋全体を暖めることができるし、即暖性やパワーは電気よりはるかに優れている」といったような内容。ガスFHの販売で高い実績を上げている別の業者によるとガスFHは季節商品だが、シーズンインすると1日の使用時間が長いため月間約10立方bの増販につながるとして、特別料金を設定しても採算はとれるという。ガスFHの販売は「正にガス機器販売の原点である」とも言っていた。
 なお、同支店では9月から12月までキャンペーンを展開し、期間中300台を販売目標にしている。

「卸売販売のさらなる強化」図るサイサン

GasOneサミット2004開催

 サイサン(本社・さいたま市、川本武彦社長)は9月22日、東京都港区にあるホテルオークラ東京で「Gas Oneサミット2004」を開催した。昨年まで隔年で開いていた販売店会「連合サイサン会」(池田隆三会長)を今年からビジネスミーティング主体に改め、新たな一歩を踏み出した。サミットでは「卸売販売の更なる強化」を打ち出し、販売店とともにお客さま第一主義を推進する方針を鮮明にした。また、その戦略の柱として@Gas Oneブランドの活用Aマイ・エネルギーショップ制度の更なる充実Bパワーフルキャンペ―ンWin−Win04の実施C研修プログラムの充実−−を掲げた。期待のGas Oneショップは10月、直売店では軽井沢営業所(長野県)、鳩ヶ谷営業所(埼玉県)がスタートを切り、グループ販売店でもGas Oneショップが相次いで誕生する。結束を強化し“チェーンパワー”を発揮することでエネルギー・ボーダーレス時代を勝ち進むのが狙いだ。特集では、サミットで開催された販売店部会を中心に結束を強めるサイサンとGas One会の姿をクローズアップした。