エネルギー自由化の切り札
電力ピークカットは世界の潮流へ
(2001/05/28/ プロパン・ブタンニュース)

◆GHPが国際的に注目される背景は、電力不足と環境問題に早急な対応を迫られているからだ。さらに、世界規模で推進されている電力、ガス事業の自由化は、電力ピークカットを求める市場の要請に拍車をかけた。もし、米国カリフォルニア州にGHPが普及していたら、電力危機はあそこまで深刻化していなかっただろう。そうした意味でサンヨーのGHP海外展開は緒についたばかりだが、無限の可能性を感じさせる野心的な戦略である。サンヨーがGHPで先鞭をつけた韓国では、産業の発展と急速なITの普及で電力需要が肥大化し、電源開発が追いつかない。電源が確保できたとしても夏場の電力ピークを抑制しなければ、効率が悪化しエネルギーコストを押しあげ産業の国際競争力は弱まる。このため政府が、ガスエネルギーの利用拡大を奨励している。

 LPガスに対してGHPで先行する天然ガスの流れは、まずLNGの輸入を韓国ガス公社が行い、民間のガス販売会社には配管網を通して配給する。都市ガス会社は各地に乱立しているが、エネルギーのベストミックスに対応すべく再編を図るなど、構造改革も進展しているという。サンヨーによると韓国ガス協会はガス利用拡大の一環で補助金制度の創設などGHPの普及に向けて、政府へ支援策の検討を働きかけている。

 一方、実証試験を開始したフランスは、原子力発電所の整備に力を注ぎヨーロッパの配電国と位置付けられている。その国でGHPが注目されるのは、どんなにベース電源が整っていても、負荷変動の大きいピーク需要はやがて、やっかいな存在になる。空調需要をガスに置き換えていけば、得意の電力事業でも負荷率向上というメリットを出せる。フランスのガス会社の原料も天然ガスで、仕入先はアフリカ、北海、ロシア。それぞれパイプラインを通じて購入している。ユーザーには、日本の大手ガス事業者と同様、産地によって微妙に異なる熱量を統一して供給している。

 日本国内に視点を移すと、エネ庁・ガス市場整備基本問題研究会で構造改革論議の各論が詰められ現在、着々とエネルギーの自由化に向けた舞台づくりが進展中だ。オープン市場下でのエネルギー供給事業はベース需要をより安く、ピーク対応には応分の負担を需要家に求めることが原則となる。言い換えると、エネルギー供給者はできるだけピークを抑え設備負担を軽くして通常時の料金を下げ、負荷変動の大きいピーク需要は、利用者が自己責任で軽減していかないと光熱費は高くついてしまう。

 LPガス事業者の強みは手軽にピークカットできるGHPを持っていることに加え、そのエネルギー供給設備が簡素でコストパフォーマンスに長けている点にある。GHP販売を一層強化し空調事業の基盤を確立することが、LPガスの自由化対応の必須条件だ。